29話 ページ31
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「そこに転がるお仲間は____いわば貴様らの巻添え」
唐突に告げられた芥川の言葉に敦は焦る
Aは演じることを忘れ、冷めた目で芥川を見つめる
「僕のせいで皆が____?」
「然り。それが貴様の業だ。貴様は
敦は孤児院の大人達に指を指されていることを思い出す
芥川はそんな敦を追い詰めるかの様に言葉を続けた
「自分でも薄々気がついているのだろう?」
芥川は羅生門を発動し、敦のすぐそばを削った
「僕の『羅生門』は悪食。凡ゆるモノを喰らう。貴様らが抵抗するのなら次は脚だ」
怯え切っている敦
Aは「今の彼は足手纏いだ」と考え、下がらせる
「…敦君。せっかく探偵社にもらった命、散らせたくないよね…?なら、やることはわかってるでしょ?____私が二人の足止めをする。だから二人を抱えて逃げて」
「貴様一人で足止めか?」
「はい。お気に召すかは分かりませんが…」
Aは一歩前に出る
自身が愛用している短刀と銃を持って
まだ意識がある谷崎は敦とAに必死に逃げる様に云う
だが、Aはそれに対して聞く耳を持たなかった
今ここで二人で逃げるのは得策ではない、と考えたからだ
敦には二人を運ぶ力はないと思うが、正直誰かを抱えながら戦って逃げるよりか、
どちらかが二人の相手をして、どちらかが谷崎達を運んで逃げる、という選択の方が追いつかれないだろう、と考えたから
前に出るAに敦が声をかける
「Aちゃん…!君も狙われて…」
「生け捕りにするつもりなら殺されることはない。それに、彼らが私のことを殺すのはデメリットの方が大きいことなんて彼ら自身もわかってる」
「貴様如きに舐められたものだな」
Aが猛烈に嫌な予感を感じた
敦の元に走って敦の耳を塞ぐ様に云う
だが、もう遅い
「親がポートマフィア幹部に借金をしているから、簡単に貴様も組織に手を出せないこと、分からぬ貴様ではないだろう?」
敦も、限界ギリギリで起きていた谷崎もそれを聞いてしまった
Aは芥川を睨んだ
だが、芥川はまだ言葉を続ける
「お前を生かさぬと借金が返されないこともわかってる…が、こちらで働かせて借金を返させることだって可能。お前を殺して内臓を売ることだって可能…貴様の方が下であることを忘れるな」
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