13話 ページ15
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「嫌だァ……もう嫌だ……ぜんぶお前等の所為だ…『武装探偵社』が悪いンだ!社長は何処だ!早く出せ!でないと____爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」
Aとナオミを縛り上げ、人質として近くに置いている爆弾魔役、谷崎
それに怯えているフリをしているナオミとA
谷崎の演技が上手いのはもちろん、人質役である二人の演技で場をまるで緊急事態であるかのように雰囲気を変えた
Aは日頃から演技に慣れているからか、入ってきた仕掛け人の二人は少し驚いていた
入口の方で、国木田と太宰がこの状況を説明しているのが目に入る
「犯人は探偵社に恨みがあって社長に会わせないと爆破するぞ、と」
「ウチは色んな処から恨み買うからねぇ。うん…あれ高性能爆薬だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね。爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど……この状況じゃなぁ…」
「どうする?」
「会わせてあげたら?社長に」
「殺そうとするに決まってるだろ!それに社長は出張だ」
「となると…人質をどうにかしないと」
国木田と太宰が手を出す
そして
____ポン
じゃんけんを始めた
ぽん、ぽん、ぽん、と何回かあいこを繰り返し…
太宰が勝利した
ニタァ、とする太宰に舌打ちをしながら谷崎に近付く
「おい、落ち着け少年」
「来るなァ!吹き飛ばすよ!」
爆弾の切換機らしきものを国木田の前に出し、谷崎は国木田を脅した
「知ってるぞ。アンタは国木田だ!アンタもあの嫌味な『能力』とやらを使うんだろ!?妙な素振りをしたら皆道連れだ!」
このことから敦に与えられた情報は、「社員の顔が調べられていて、太宰が行っても警戒されてしまう」ということ
却説、この状況を彼はどんな行動で救ってくれるのか
A自身、中島敦にあまり興味がなかった
が、これから仲間になるかもしれない人物
ちょっとでも観察しなければ
彼女は一瞬鋭い目で敦を見つめた
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