君が1番、とかふざけんな【灰谷蘭】

浮気.3 ページ3

蘭「何してくれちゃってんの？」
ニコニコ貼り付けたような笑顔で

立ち上がろうとした私の腕を掴む
蘭「俺に牛乳かける女とかAくらいだわ」

貴「他の子と比べないで。もう出てくから離して」
腕を自分の方に引いてもビクともしない

そりゃあそうだよね
蘭ちゃんの力に適うわけがない

きっと私の腕なんて
彼が本気で力を加えたら簡単に折れる

貴「どうして引き留めようとするの。別に私の事なんて好きじゃないでしょ？」

私と別れたところで
すぐに別の女の子を探すんでしょう？

蘭「なんで好きじゃないとか思うわけ？好きじゃない女と付き合わないし、一緒に住んだりしねぇ」

貴「…好きなら、どうして浮気ばかりするの。3回目だよね？…もっとしてるか」

私が口に出したのが3回目ってだけで
本当はもっと沢山の女の子を侍らせてるに決まってる

蘭「浮気なんて本気じゃねぇよ」
貴「開き直らないで。本気かどうかは関係ない」

本気じゃなくても別の子と関係を持ったのは事実
それもお仕事じゃなくてプライベートで

全部わかって言ってるの
バカにしないで

蘭「Aさぁ、誰に助けられたと思ってんの？俺がいなかったら今生きてねぇよな？」

貴「それは感謝してる。でも、タバコ辞めてないのも知ってるから」

蘭「そ、れは…」
バレてないと思ってた？

そうだとするなら頭が悪いにも程がある
ふざけるのも大概にしてほしい

蘭「ﾁｯ…ホント可愛くない。俺がどんな仕事してるか知ってるよなぁ？殺されてぇの？」

そう言って懐から銃を出す
…勘違いもいい所だ

貴「蘭ちゃんは“好きな女”に簡単に銃を向けられるんだね。殺したいなら殺せばいいよ」

彼の腕を掴み銃口を私の眉間に押し付ける
それから身長の高い彼の目を射抜くように見た

貴「言っておくけど、死ぬのなんてちっとも怖くないから。好きにしなよ」

蘭「…っ、冗談じゃーん♡そろそろ許せ？な？」
そう言って伸ばされた腕を払う

この期に及んでそのテンションでいられるのね
貴「…まぁ、1回浮気された時点で諦めてたけど」

蘭「は？何を」
きっと、彼を見る目は驚くほど冷たいだろう

貴「人生で“1度も浮気をしない人”はいても“1度しか浮気しない人”はいないんだって」

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