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デザートもお姉ちゃんの分まで食べて、私はすっかり満足していた。
「A、二次会どうする？」
「お腹一杯だから行かない。もう私は用済みでしょ？」
「うん。もういいわ。じゃあね」
お姉ちゃんが薄情なのはいつものことだから、私は気を悪くすることもなく、駅に向かって身体を反転する。
「うわっ」
振り返った目と鼻の先に男の人がいて、私は驚きのあまり声を上げた。
「・・・あ、すみません。びっくりしちゃって」
よく見ると、その人はさっきの合コンの出席者で、私からいちばん遠い場所に座っていた。
「・・二次会、行かないんですか？」
「うん」
「・・・そうですか。じゃあ、私はこれで」
男性を追い越して駅に向かおうとした時、彼は私の目の前にテイクアウトの箱を差し出した。
「食う？」
「え？」
「さっきがっついてたじゃん。腹減ってんでしょ？」
「もう満腹です」
「ふ〜ん」
男性は少し残念そうに、テイクアウトの箱を下げる。
「あのさぁ」
「・・・はい」
「今から俺んち来ない？」
「え？！」
あんなに食事に集中していた私を狙っていた人がいたとは！
世の中とはわからないものだなぁなんて妙に感心しながら、私は丁重にお断りした。
「せっかくなんですが、すみません。私は今、彼氏とか必要ないので」
「俺も」
「ん？」
「俺も必要としてないんだわ。彼女とか」
「はい？」
意味わかんない。意味わかんない。意味わかんない。
あまりの会話の成り立たなさに驚いて、私は言葉を失ってしまう。
「でも、癒されたい」
「・・癒されたい？」
「さっきの食べっぷり、よかったよ。久しぶりに微笑ましい気持ちになった」
「・・・はぁ」
「だから思ったんだよね。家に置いときたいなって」
「置いておく？」
「家に帰ってあんたがいて、一緒にメシ食ったら癒されるだろうなって」
「え？」
「家に帰って犬とか猫がいたら癒されんじゃん。そんな感じ」
「・・・犬とか猫を飼えばいいのでは？」
「忙しすぎて世話ができないんだ。だから自立してる方がいい」
「私、ペットの代わりですか？」
「そう。だめ？」
「ダメに決まってるでしょ？！」
失礼すぎる提案に、本気で苛立った。
いくら私が貧乏だからって、簡単に飼われたりしないんだから。
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みき(プロフ) - マキさんご無沙汰してます。そして今頃すみません。全てのシーン私の抱いているみっくんでした。すごいなぁ〜。こんな素敵なお話を描けるマキさんは本当に優しい人なのだろう。私ではないけど彼女の私は沢山幸せをもらいました。さびしいです。ありがとうございました。 (2021年11月1日 15時) (
レス) @page49 id: e2d6b3aa5d (このIDを非表示/違反報告)
わわか(プロフ) - １つずつ終わっていくのがすごく寂しいです。マキさんの言葉、物語がとてもとても好きでした！他のメンバーの話も楽しみであり、終わってしまうのがさみしくもあり。最後までしっかり読ませていただきます！ (2021年5月28日 17時) (レス) id: 3db566fc35 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちい★さん» 北山くんが主人公のお話、終わっちゃいました。私の書く北山くんが、北山くんをお好きな皆様にも温かく受け入れてもらえて嬉しかったです！ありがとうございました(*^^*) (2021年5月23日 20時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - ちはるさん» 元は横尾さんがお好きだったんですね(*^^*)北山くんと横尾さんの関係性がとても好きなので、二人のお話が書けて私も楽しかったです！身長差もそうですけど、情熱と冷静みたいな対極な二人がいいなぁと思っています＼(^^)／ (2021年5月23日 20時) (レス) id: 50fef8eb31 (このIDを非表示/違反報告)
ちい★(プロフ) - 終わっちゃって寂しいです…。マキさんの書くお話は苦しくなったり幸せになったり…リアルで大好きです！！！読み返してきます★ (2021年5月16日 11時) (レス) id: aba16733a8 (このIDを非表示/違反報告)
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