29 (二階堂くん) ページ29
病院と自宅をつなぐ廊下から、Aがキッチンに立っている姿が見えた。
「A!何してんの?」
"あ、お帰りなさ・・
「北山さんは?!」
"会ってきました"
「は?もう帰ってきたの?」
"・・・ダメ?"
「夕食、一緒に食べてくればよかったのに」
"・・・二階堂さん"
「ん?」
"・・ご飯、二階堂さんに一人で食べて欲しくない"
「・・・・は?」
"・・嫌だから"
「・・・バカじゃねーの?メシくらい、別に一人で食べられるよ!」
ねぇ、だから・・
そういうの。
そういうの、やめてくれって。
"・・・どうして怒るの?"
慣れたくない。
二人でいることに慣れたくない。
「怒ってない」
君のいる日常が、俺にとって当たり前のものではないから。
"・・二階堂さん?"
君を、日常にするのが怖いんだ。
炊きたてのご飯も
出汁からとった味噌汁も
形のいい卵焼きも
いつかは、食べられなくなるんだから。
水加減を間違えたご飯と
インスタント味噌汁
それからぐちゃぐちゃの卵焼き
俺の日常は、こっちだから。
「今度から、ちゃんと夕食も食べてこい」
"でも・・"
「約束!!」
無理に取り付けた約束は、俺の弱さを露呈させる。
なんて弱い。
なんて、カッコ悪いんだろう。
怖いんだ。
これ以上、君を好きになるのが怖いんだ。
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れいな - 初めましてこんにちは。このお話が大好きで何度か読ませていただいております。そのたびに大号泣しています。こんな素敵な作品に出会わせてくださってありがとうございます。 (2020年7月4日 4時) (レス) id: ac9fdaad24 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - naoさん» はじめまして。コメントの通知が来ておらず、お返事が遅くなってすみません(>_<)naoさんは二階堂くんがお好きなんですね!私の書いたもので、少しでも楽しんでいただけたのなら嬉しいです(*^-^*)書いててよかったです。コメント、ありがとうございます(^-^) (2019年8月26日 13時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 初めまして。二階堂高嗣で検索して、このス素敵な物語に出会いました。もう最初から最後まで、胸がギューっとなりながら一気に読み終えました。今まで読んだ作品の中で、1番好きです。本当に感動しました!大好きな二階堂くんがしあわせになってくれて嬉しいです! (2019年8月7日 3時) (レス) id: 98957e13af (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - くまのこさん» 意味がわからないくらい...なんて、そんなに泣いてくださって感激です(;∀;)お気に入り作者に登録していただいて、重ね重ねありがとうございます★ (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかあゆさん» 泣いてくださったんですね!うわぁぁ、ありがとうございます(;∀;)そして、全作品読んでくださったなんて嬉しいです! (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
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