5 (北山くん) ページ5
俺がその電話を受けたのは、3月3日の午後だった。
会議が終わって一息ついた頃にかかってきた、突然の電話。
あの日から、俺の生活は一変した。
「もしもし」
『あ、北山さん?!・・望月です。Aの母です』
「お母さん!ご無沙汰してます。どうされま・・
『A・・Aと一緒ですか?』
「いえ・・Aも今の時間は仕事なんじゃ・・」
『いないんです』
「・・・え?」
『昨日、Aと会ったんですよね?』
「昨日?いえ・・昨日は彼女と会ってません」
『・・そんな・・・。昨日、Aは北山さんの家に行くと言ってでかけたんです。夕方、帰ってきた時、様子がおかしくて・・北山さんとケンカでもしたのかと思ってました』
Aのお母さんの話が、全然頭に入ってこない。
『・・ご飯も食べないで、ずっと部屋に閉じこもって・・朝、起こしに行ったら、携帯も財布も置いたまま、Aがいなくなってたんです』
「・・置き手紙みたいなものは?」
『・・本当に、何にもなくて・・』
昨日、『疲れてるから、もう寝るね』って随分早い時間にメールがきたことを、唐突に思い出した。
付き合って3年。
連絡が来ない時間が長くても、お互いあまり気にしない、それくらいの信頼関係は出来ていた。
「お母さん、今から迎えに行きますから、一緒に警察に行きましょう」
頭の中は混乱しているのに、俺は冷静にそう言っていた。
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れいな - 初めましてこんにちは。このお話が大好きで何度か読ませていただいております。そのたびに大号泣しています。こんな素敵な作品に出会わせてくださってありがとうございます。 (2020年7月4日 4時) (レス) id: ac9fdaad24 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - naoさん» はじめまして。コメントの通知が来ておらず、お返事が遅くなってすみません(>_<)naoさんは二階堂くんがお好きなんですね!私の書いたもので、少しでも楽しんでいただけたのなら嬉しいです(*^-^*)書いててよかったです。コメント、ありがとうございます(^-^) (2019年8月26日 13時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 初めまして。二階堂高嗣で検索して、このス素敵な物語に出会いました。もう最初から最後まで、胸がギューっとなりながら一気に読み終えました。今まで読んだ作品の中で、1番好きです。本当に感動しました!大好きな二階堂くんがしあわせになってくれて嬉しいです! (2019年8月7日 3時) (レス) id: 98957e13af (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - くまのこさん» 意味がわからないくらい...なんて、そんなに泣いてくださって感激です(;∀;)お気に入り作者に登録していただいて、重ね重ねありがとうございます★ (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
マキ(プロフ) - にかあゆさん» 泣いてくださったんですね!うわぁぁ、ありがとうございます(;∀;)そして、全作品読んでくださったなんて嬉しいです! (2018年8月8日 19時) (レス) id: a3dcba5f46 (このIDを非表示/違反報告)
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