【薄桜鬼】ブラコンの妹ちゃんが恋をするのは、誰でしょう？

30話　　　雪村side ページ32

山崎 「雪村君、君はもう寝なさい。後は、俺がやっておく。」

立ち続きで疲れた体には、山崎さんの申し出がありがたかった。
でも…。

雪村 「いえ、私も手伝います。」

山崎さんにだけやらせるなんて、理不尽だ。
それに、後味が悪いもの。

山崎さんは、私を見て優しく微笑んだ。

山崎 「…まったく、君を説得させるのはできないようだな。」

雪村 「で、でも…！」

山崎 「なにも、やるなとは言っていない。」

山崎さんは、私に対して、まるで、幼子をあやすかのように接した。

…私だって、もう十六なのに。そんなに、幼く見えるのかな…。

山崎 「一刻づつ交代で行おう。だから、ひとまず君は寝なさい。」

それなら、納得できる。

雪村 「わかりました。一刻たったら、起こしてくださいね？」

山崎 「わかった。」

雪村 「絶対ですよ？」

山崎 「ああ、わかっている。」

山崎さんは、苦笑して頷いた。

雪村 「それそれじゃ、おやすみなさい。」

無意識に、ふわっと笑った。

山崎 「あ、ああ///。おやすみ。」

閉めた襖の向こうで、山崎さんが私の笑顔のせいで、
顔を赤くさせて、固まっていたのを、知る由もなかった。

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