- 羽の無い騎士はもう飛べない/第三話 ページ6
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「あの子ねぇ、『Valkyrie』を尊敬してた。真っ直ぐな芸術が素敵だってさ。斎宮もあいつを気に入ってたしさぁ…なずにゃん達も、あいつと居られた時は人形じゃなくて人間だったと思う」
「みかちゃん、Aちゃんの話する時、凄く楽しそうだったわァ。『お師さん』…斎宮先輩の話をする時と同じくらい、幸せそうだったわ」
俺の声に、ナルくんが言葉を重ねる。みか、というのは2年の影片のことだろう。今、唯一の斎宮の人形として操られている人形。かつてのなずにゃんと重なってしまう時があるのは、彼らが2人ともあいつの人形であったからなのだろうか。
あの頃、一言も声を発しなかったなずにゃんも、Aと居る時は頬が緩んでいたと思う。ほんのりとだったけれど、きっとそう。それは、Aも同じで。本当に、楽しそうに彼らの事を話していた。
毎日毎日、楽しそうに、レッスン室に来て、練習して、『Valkyrie』の話をして…を繰り返すA。その表情は晴れやかで、幸せそうで。Aにそんな表情をさせられるあの3人が羨ましくて、嫉妬して。思わず、言葉がこぼれた。
「…あんたさぁ、なんで『Valkyrie』の誘い蹴ったの？そんなに好きなのに…」
作曲をしていたれおくんも、ピタリと手を止めてこちらに視線を向けた。俺もれおくんも、ずっと聞いてこなかった。聞いて、帰ってくる答えが怖かったから。もしそれが、なんて。それはもう、考えたくもない。そんな暗い気持ちになっている俺たちと反対に、Aは不思議そうに目をぱちぱちと瞬かせた後、ふわりと笑って口を開いた。
『れおくんと泉さんが居るから。2人が居るところに、わたしが居ないのは嫌だし…。勿論Valkyrieも大好きだけど、それ以上に2人が大好きで大切だから、かな』
「…うん、っおれもおまえらが大好きだっ愛してる！」
「はいはい。……俺も、なんて言わないからねぇ？」
素直じゃない呟きは2人に届いたようで。それでも、嬉しそうにはにかむ2人から、何事も無かったかのように顔を背けた。俺たちが居るところに、Aが居る。その理由がなんともAらしくて、愛おしくて。2人の言ってくれた大好きという言葉が、心の底から嬉しかった。
願わくば、これから先も。この3人で。
よくある青春なんて送れなくても良い。2人さえ居てくれればそれで良い、なんて。そんな俺らしくもないことを考えて、くすりと笑みをこぼした。
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ラビット_(プロフ) - オンナさん» 展開にわくわく…！凄く嬉しいです、ありがとうございます！続編でもよろしくお願い致します🙏 (7月18日 5時) (
レス) id: bc77977d93 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット_(プロフ) - とわさん» そう言って頂けて嬉しいです😊🌟続編でもよろしくお願い致します🙏 (7月18日 1時) (レス) id: bc77977d93 (このIDを非表示/違反報告)
オンナ(プロフ) - とても面白くてこれからの展開にワクワクしています。続編楽しみです！ (7月17日 9時) (レス) @page49 id: dee2fbc24a (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - めっちゃ面白いです！頑張ってください！更新待ってます。 (7月10日 22時) (レス) @page47 id: ac6daa7edc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らびまる | 作成日時：2023年3月29日 8時
