1話 叶えたい夢 ページ3
或人「ねえ、イズ・・・あそこにいるのって・・・」
ヒューマギアの様子を見に行って、会社への帰路をたどっていると、飛電インテリジェンスの前に女の子が立っていた。くるくるとした水色の髪をハーフアップにしていて、髪を束ねているリボンと同じたれた青い目で会社を見上げている。
イズ「或人社長、彼女はヒューマギアです」
或人「え!?」
確かに、髪や目の色はとても珍しいけれど、彼女は人間と同じ耳をしているため、人間のように見える。驚いて彼女を凝視していると、視線に気づいたのか、その子がこちらに顔を向け、そのこと目が合った。
???「もしかして、この会社の人?」
或人「あ、うん・・・そうだけど・・・」
まさかいきなり声をかけられるとは思っていなかったため、狼狽えながら返答すると、その子は真剣な顔をしてテコテコとこちらに歩み寄ってきた。
或人「え・・・っと・・・」
何も言わずに近づいてくるその子に、どう反応すればいいかわからず困っていると、目前まで迫ってきていた彼女がいきなり頭を下げた。
???「お願い、私を飛電或人に・・・この会社の社長に会わせてほしいの・・・」
或人「え・・・」
急に自分の名前が出てきて困惑していると、ずっと黙っていたイズが声を上げた。
イズ「貴方はなぜ、或人社長にお会いしたいのですか?」
確かに、そこは気になる。この子は多分、飛電インテリジェンスで作られたヒューマギアじゃない。どこで作られたのかはわからないが、そんなヒューマギアが俺に用事・・・あまり考えたくはないが、滅亡迅雷netの仲間なんじゃないかと考えてしまう。
???「・・・ヒューマギアを・・・私たちを道具として扱う人間はごまんといる。でも、私が初めて飛電或人を見たとき、この人は絶対に違うって・・・そう思ったの。そして、そんな飛電或人なら、私の夢に協力してくれるんじゃないかって・・・」
或人「・・・聞かせてもらってもいい?君の夢」
・・・ヒューマギアの夢を叶えるのは、俺の夢でもある。・・・この子がどんな夢を持っているかはわからないけど、協力したいと思った。まあ、人類滅亡とか言われたら協力できないけど・・・
???「・・・私の夢は・・・ヒューマギアと、人間の共存・・・みんなが、笑って暮らせるようにすることだよ」
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作者名:フランドール | 作成日時:2020年7月29日 19時