Good Old Days 016 ページ29
「A〜! はよ、迎えに来た!」
和成が来たので、私は鞄を持って玄関に走る。
靴箱からスニーカーを出し、踵を踏みながらケンケンで外に出た。
一応家に向かって行ってきまーす、と小声で言っておく。
和成におはよ、と挨拶をする。
靴紐がほどけていたので、結ぼうと屈む。上手くちょうちょ結びが出来ない、と言うと、和成は笑いながら靴紐を結んでくれた。
和成は、毎度おなじみリアカー付き自転車、通称チャリアカーに乗っていた。
「あ、Aもオレのリアカーに乗せてやんよ」
「え、でも重いよ? しかもこれから緑間君乗るんでしょ」
「だーいじょぶだって」
そうは言うが、本当に申し訳ないというか体重重いから乗りたくないというか。
「ね、これ1人で漕いでるとチョー恥ずいんだぜ。オレを助けると思って」
相手は折れる気がないようで、これ以上は堂々巡りだ。そして何より、そんなこと言われては断れない。
私は、リアカーに体育座りする。
「落ちないようにお気をつけてー。そんじゃま、しゅっぱーつ」
自転車が動き出す。うわー真ちゃん以外乗せるの新鮮ーA軽すぎー、等と感激している和成が可愛くて、ついふふっと笑ってしまう。
「ねーかずなり」
「んー? てか、発音が平仮名だな」
「呼び慣れてないんだもん。あのさ、チャリアカーガタガタ揺れてお尻いたーい」
そう、リアカーに乗る緑間君を初めて見てからずっと「アレ、絶対お尻ジンジンするよね?」と疑問に思っていたが、やっぱり実物に乗ると想像通り痛い。
「マジ?! 真ちゃんからそんなこと一言も聞いたことないけどなー」
「えーじゃあ私のお尻が軟弱なのかな?」
「緑間のケツもそんな頑丈じゃねーけど」
そんな、高校生の男女がするには幼稚すぎる会話をしているうちに、緑間君の家に着く。
「わ、豪邸だね」
緑間宅、というか緑間邸を一目見て、素直な感想が口をついて出た。
「な、オレも初めて見たとき顎外れるかと思うくらいビクッた」
まーでも緑間君育ち良さそうだもんね。お行儀良いし。
スーパーでタイムセールを狙ってるような私とは、全然違うっていうか。
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ふなふね - 猫さん» コメント感謝です! 思い入れ結構あるので歓喜しております。 (2022年4月24日 17時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 私もっと高尾君が好きになりました。 私この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年4月17日 16時) (レス) @page47 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すみません!友達になろうのコメントいとこがわざと書いたんです!なのできにしないでください!・・・でもこれからもわたしのさくひんよんでくださるとこうえいです! (2022年4月17日 9時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね - 猫さん» ありがとうございます! とっっっっっっっても励みになります。ぜひコメントさせていただきますね。 (2022年4月16日 14時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - とても面白いです!・・・どうしたらここまで面白くなるの!?・・・・アドバイスがほしいのでできたらでいいのですが、私の作品「ダシャレが私たちの運命を」のコメントコーナで教えてください!(ちなみに多分、占いツクール 黒子のバスケででで来ると思います!) (2022年4月16日 13時) (レス) @page10 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふなふね | 作成日時:2021年9月29日 19時