Good Old Days 017 ページ30
私が緑間邸を見ていると、和成が
「ホラA、早くピンポンしてよ」
と言った。
えっ、私が押すの……とやや気後れしつつもインターホンに人差し指を伸ばし、ボタンを押す。
緑間君の家のインターホンの音は、私の家のそれよりも高級感がある気がした。
緊張で裏返る声を抑える。
「えと、バスケ部の高尾と日田です! 真太郎君のお迎えに来ました」
そう言うと、インターホンから「日田?!」と驚く声が聞こえてきて、間もなく緑間君が出てきた。
「おっはー真ちゃん。ラッキーアイテム連れて来たぜー」
私も和成に倣って挨拶をしながら、えなんで和成私の頭ポンポンしながら「ラッキーアイテム」って言った? と疑問に感じる。
「あ、そっかーAには言ってなかったなー。今日の蟹座のラッキーアイテム、『運動部のマネージャー』なんだぜ? ぎゃはっ、マジおは朝鬼畜すぎ!」
成程ね、そういうこと。納得した私は、「はやくおしるこ渡せや」という意を込めて和成の脇腹を突く。
「あ、そだ真ちゃーん、おたおめ! ってことでオレとAから愛のこもった手作りおしるこをプレゼントします」
そう言って、どこからか取り出したクラッカーを鳴らす和成。緑間君はびっくりしたようで、目をまんまるにさせている。
「高尾、日田! か、」
緑間君が何かを言おうと口を開いたので、私は彼の口からどんな言葉が紡がれるのかに意識を注いだ。
「か、感謝する……のだよ……」
尻窄みになって、最後の方などほぼ聞こえないくらいの声量。
それでも、私と和成をニヤけさせるには充分すぎた。
「いーってことよ。それよか、早く行こーぜ! 主将達にドヤされっぞ。ささ、乗った乗った。今日はトクベツにやっさしい高尾ちゃんが漕いでやるべ」
「ふん。していつも負けて漕いでいるのは高尾だろう」
緑間君が入ると、私1人では広すぎたリアカーも少し詰めないといけなくなった。
和成が自転車を出発させると、気持ちの良い風に頬を撫でられる。
「緑間君、おしるこ美味しい?」
「……ああ、自販機の数倍美味い」
「ふふ、なんせ私達の力作ですから」
Good Old Days 018→←Good Old Days 016
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふなふね - 猫さん» コメント感謝です! 思い入れ結構あるので歓喜しております。 (2022年4月24日 17時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 私もっと高尾君が好きになりました。 私この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年4月17日 16時) (レス) @page47 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すみません!友達になろうのコメントいとこがわざと書いたんです!なのできにしないでください!・・・でもこれからもわたしのさくひんよんでくださるとこうえいです! (2022年4月17日 9時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね - 猫さん» ありがとうございます! とっっっっっっっても励みになります。ぜひコメントさせていただきますね。 (2022年4月16日 14時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - とても面白いです!・・・どうしたらここまで面白くなるの!?・・・・アドバイスがほしいのでできたらでいいのですが、私の作品「ダシャレが私たちの運命を」のコメントコーナで教えてください!(ちなみに多分、占いツクール 黒子のバスケででで来ると思います!) (2022年4月16日 13時) (レス) @page10 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふなふね | 作成日時:2021年9月29日 19時