26話 強制イベント ページ28
『は、はは...後でどやされるな、私』
普段の様子からは考えられないドスの聞いたペコ太郎の声に、さっきから寒気が止まらない。
現在進行形でペコ太郎を宥めているであろうダルニートの心情を思い、私は両手を合わせた。
『触らぬ鬼に祟りなしってね...』
「一番起こしちゃいけない獅子を起こしちまったな...こわ」
「この前、ペコ太郎と同じ任務で審神者に怪我させられた時があるんだけどね...その審神者、あの後どうなったんだろ」
「あの人には...逆らっちゃいけないですよ」
『ちょ、不安煽らないでよ...って物吉、あんた何かしたの!?』
ぶるりと震え上がる愛染に、小首を傾げる蛍丸。
私のすぐ隣でダルニートたちとの会話を聞いていた物吉は、何処か遠くを見詰めていた。
うちの物吉を恐れさせるなんて...ペコ太郎、なんて恐ろしい子...!
「はいはい、茶番は良いですので。
とっとと粟田口隊に行ってきなさい」
『茶番...!?ペコ太郎の怒りを、茶番...!?』
くい、と人差し指で本体を押し上げるメガネボーイを信じられないといったような目で見る私を、彼は鼻を鳴らして嘲笑う。
とりあえず、メガネボーイは一回ペコ太郎の地雷を踏み抜いて爆発すればいいと思いました。
「粟田口隊隊長に連絡してきました。
僕たちが到着する頃には準備出来ていると...って、皆さんどうしたんですか?」
「変なきのこでも食ったのか?」
そんな中、今の今までこの場所に居なかった亀甲と太鼓鐘が不思議そうに戻ってきた。
優秀な部下たちに労いの言葉と共に「お前らは気にしなくていい」と、笑い掛けてやる。
目の前の二振りの頭上に、大きなクエスチョンマークが見えたような気がした。
『さぁて...行くか』
強制イベントにつき、回避できません。
・
「なぁ、なんでだ?」
前を歩く精鋭部隊の背中を見ながら、獅子王が自身の斜め前を歩く三日月に声を掛けた。
その声に、天下五剣は後ろを振り返る。
その表情は先程と比べればではあるが、少しだけ穏やかなようにも見える。
「なんであの女を指命したんだ?
俺たちだけでも、全然...」
「なに、あの女...竜堂に興味が湧いた、と言えば良いか?」
「興味?」
腰に帯刀した獲物に触れ、三日月がふわりと笑みを浮かべる。
そんな彼の表情に獅子王のみならず、手を繋いで共に歩んでいた前田も小首を傾げた。
「それに、あやつのあの霊力...あれは少し、厄介なものだぞ」
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ハルヒ(プロフ) - 臨兵闘者皆陣烈在前…アカン妖界ナビ・ルナしか浮かばんかった…そしてこの小説がとても好きです…ゆっくりでいいので更新待ってます…杏仁豆腐さん大好きです…(* ̄ii ̄)ハナジブォォォ← (2017年11月28日 14時) (レス) id: 852ed5590a (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(携帯)(プロフ) - アッシュさん» その点に関しては申し訳ありませんでした。只今設定の方を載せましたので、何か不便な点がございましたら言ってください。 (2017年11月6日 22時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
アッシュ(プロフ) - 設定無いのですか?初っ端から話が始まって何が何だか分からないです… (2017年11月6日 21時) (レス) id: 780afa92f9 (このIDを非表示/違反報告)
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