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あの後、廊下を通る度に驚いたのがお城の中にいる大半の使用人が魔法を駆使して物理を使っていない状態で仕事をこなしていた。なんなら指一つで食器を浮かばせながら運んでいるくらいなものだから驚いた

昔奥様の屋敷の書物庫で読んだ“不思議の国のアリス”のような摩訶不思議な光景に目を奪われている内に目的地へと着いたらしい。金庫のような厳重な場所の様だ、大きな両開き型のドアには『KEEPOUT』と分かりやすく書かれていた



「本当は関係者しか入れんけど基本的に俺が許可した奴らは特別に立ち入ることが許されるから安心してな。あとここで見たことは知ってる人以外には話しちゃあかんで?」

「はい…」



注意事項を話され坂田様は私が理解したと見たのかよし、と満足気な表情に変わり扉に向き直った。けれどそんなに大事な機密事項を私に話しても良いのかな?

そんな疑問を頭の上に浮かべていながら待っていると扉は思い音を立てて開いた



「これがこの国の重要な秘密」



一番初めに目に止まったのは部屋の中心部に透明感があるクリスタル。それも民の家二軒分くらいの大きさで虹のように色を変えていた。天井窓のせいなのか陽の光が反射して光が広がり魔力が放出されているような暖かい空気が部屋いっぱいに溢れていた

警備も真面目に施されているのかクリスタルの上と下の頂点には白く光る細々と描かれてある魔法陣が守られている

非常識、と言われれば確かにその通りだった。こんな大きな宝石なんか軽く見ていい代物じゃない



「俺も話だけは聞いてたけど現物は初めて見た。けどいとも簡単に教えてもいいものなのか?あからさまに
こんな警備が厳重にしてあるけど一応国家機密だろ?」

「ん?俺が何も考えないでただこの国に遊びに連れてきただけだと思う?」

「は?」



浦田さんも私も何かがあるような言い草で言葉を放つ坂田様の方へと振り返った。後ろで笑みを浮かべる彼は一歩ずつ足を前に出し私達の間を通り過ぎてクリスタルの方へと近づいた

これから何かをやるかのように見えたので気になり私は坂田様の背中に目線を集中させた



「これ、お飾りのためだけに作られたお宝じゃないよ」



坂田様は片方の手を上にゆっくりとあげてから思いっきりクリスタルに向けて力強く掌を向けた。すると徐々に部屋の中に風が舞いそのクリスタルは淡い薔薇色へと姿を変え始めた



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ヨル(プロフ) - コメントありがとうございます!何とかひねりにひねって作品を良いものにしていきたいと思いますのでよろしくお願いします (2020年1月16日 20時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2020年1月16日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん» いやいや全然!バイト〜〜〜頑張れ!!!!!(元気玉)いつでも待ってるよ(イケウ``ォ) (2019年8月21日 1時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - パピヨンちゃんおひさ!ありがとねー!!今、バイトとかの予定で中々更新頻度が下がってしまってね…気長に待ってて! (2019年8月11日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん久しぶり!!!!作品面白いね。読んでて楽しいよ!!更新頑張って! (2019年8月11日 13時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/  
作成日時:2019年6月28日 15時

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