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「助かります！タクシーで送るのにどうやって運ぼうか困ってました」
「あっ、俺がタクシーで送ろうか？方向一緒だし！確かAちゃんとは真逆だよね？」
「そうです！良いんですか？藤ヶ谷さんってそっち方面だったんですね」
「うん、Aちゃんは？電車で帰る？」
「はいっ…まだ時間もあるし…ゆっくり帰ります」
「駅まで乗せてこうか？」
「いえ、少し酔いを覚ましたいので大丈夫です！
お疲れ様でした」
藤ヶ谷さんに頭を下げると
タクシーに乗り込む2人を見送って駅まで歩いた
ホームで電車を待っていると
「Aちゃん？」
後ろから声がする……
「きっ……北山さん？！今、帰りですか？」
「うん、会社の飲み会で」
「私も、飲み会帰りです！北山さん連絡くれないから元気かなぁって心配してましたよー……」
「ごめん、ごめん…1日休んだだけなのにやたら仕事が忙しくてさ……まぁその分色々考える暇なくてよかったんだけど…」
久しぶりに見ると前より少し痩せた気がする
「風邪は治りました？」
「うん、おかげさまで……俺さ…引っ越すことにしたんだ…会社の近くに…今のアパートは思い出が多過ぎるから…」
「…………そうなんですね…じゃぁ、もう近所でバッタリ会うことはないんだ………」
「うん…………寂しい？」
「えっ？…………さっ……寂しいですよ……そりゃぁ………」
「俺さ………ずっと考えてた……なんであの日自分がAちゃんの家に行ったのか……ほとんど無意識で…まぁ酒も飲んでたんだけど……」
北山さんの言葉一つ一つに心臓が跳ね上がる
「まだ前の彼女のこと全然忘れられなくて、むしろ引きずったままだと思ってたんだけど……この数週間、頭の中から離れなかったのはAちゃんだった……引っ越し決めた時、不動産屋さんでAちゃんのマンションの近くの物件とかも見ちゃってて 俺………」
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作者名：ゆり | 作成日時：2019年3月30日 1時
