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"ガラガラッ"
座敷の扉を開くと
中々出来上がった人たち………
「おー!!!Aちゃん!遅いってー出てってから全然戻ってこないからさー、はいはいここ座って」
「ダメだってAちゃんは俺の隣でお酌してくれるんだよねー?」
酔っ払った営業さんたちに囲まれて
仕方なく座ると
(うわっ……お酒臭い……)
強烈なお酒の匂いと赤ら顔………
「すいませーん!お水ください」
店員さんを呼ぶと
自分もグイッと残りのお酒を飲み干した
「そろそろお水にしましょうね」
「なんだよー…まだ良いじゃん!そういえばさ、Aちゃん玉森ふったってほんと?
俺と付き合ってよー!お願いっ」
「こら!Aちゃんは、藤ヶ谷のもんだろ?」
「いや、俺と付き合ってよー!あいつより金稼いでるよー」
「うーん……皆さんかっこいいから迷っちゃいますねー」
酔っ払いに話を合わせるのなんて慣れている
適当にあしらっていると
太ももにゴツゴツした手が乗っかった
「うわー…すべすべー!膝枕して欲しいなぁ…」
「ちょっ……飲みすぎじゃないですか?」
これには流石の私も動揺して
手をどけようとするものの
何度はらっても私の太ももを撫でようと
手を伸ばしてくる
「……………先輩、その辺にしませんか?俺、タクシーで送りますよ」
聞きなれた声に顔を上げると
「………玉森くん……」
「なんだよー玉森ー…お前振られたんだろ?女子社員から聞いたぞー!未練がましいなぁ」
「振られてません。それにAさんだから見逃してくれてますけど、それセクハラですから」
あっという間に私から離して
お店の外へと出て行った
あまりの早業に唖然とする………
(…………初めて玉森くんのこと頼もしいって思ったかも………)
「そろそろお開きにしましょうか!二次会はそれぞれで行ってもらうとして!皆さん、今日はお疲れ様でした」
藤ヶ谷さんの締めの挨拶で
全員が席を立ったり帰り支度をしている
「Aちゃん大丈夫だった?あんな席に座らせてごめん…」
「あっ…いえっ、大丈夫です!慣れてますから」
人混みの中にさくらを探すと
机の奥で寝てしまっていた
「さくらー、起きて!送るから……」
揺り動かしても起きる気配はない
このまま置いていくわけにもいかないし
なんとかタクシーまで運ばなきゃ……
さくらの荷物をまとめていると
「Aちゃん、大丈夫?さくらちゃん運ぼうか?」
藤ヶ谷さんが声をかけてくれた
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作者名:ゆり | 作成日時:2019年3月30日 1時