雪の降る夜は貴方と…。 ページ17
赤*青
ふわふわと舞う雪の中、空を見上げ佇んだ。
街灯と重なる雪ってキレイやなあ…なんて思いながら手に、はあっと白い息を吹き掛ける。
手袋を忘れて少し赤くなった手をポケットに突っ込んでゆっくりと歩き出した。
寒い季節は人肌が恋しくなる。
あの人はもう仕事終わったんやろか…。
何だか無性に会いたくなって携帯を取り出した。
電話番号を表示させて、そのまま通話ボタンを押していいものかと暫し思案していると手の中の携帯が震える。
画面を見れば、あの人の名前で自然と頬が緩むのがわかった。
嬉しい気持ちを噛みしめながら通話ボタンを押す。
「もしもし…っ。」
「あー、ヤス。今、大丈夫か？」
「うんっ、大丈夫やでー。どうしたん？渋やん。」
「あのさ…ええ感じのレコード買うたんやけど、これから家に来うへん？」
「えっ？ええのっ!?行く行くっ♪」
「ふはっ、じゃあ待っとるわ…。」
まさかのお誘いに一気に気持ちが舞い上がった。
…あ、バイバイって言うてへん。
そんなことを思いながらも、何か一緒につまめるもん買うてこう…とコンビニに立ち寄り、手早く買い物を済ませる。
さて、あの人の気持ちが変わる前に家に行かんと…。
タイミング良く来たタクシーを止めて、乗り込むと目的の住所をドライバーに告げた。
走り出したタクシーの中、あわよくばお泊まりもできたらええなあ…なんて思いながら、窓から景色を眺める。
あー、早よ会いたいわあ…。
今日は思いきって甘えてみることにしよ。
もう少ししたら着くから…とだけメールをして、これから過ごせる２人きりの時間を待ちわびた。
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―*end*―
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作者名：∞さっちん∞ | 作成日時：2017年9月17日 12時
