オリキャラ小説～向日葵～ (ページ4)

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第一話ページ4

晴天である。
空は雲ひとつなく、青空が続いている。まさに晴天と呼ぶにふさわしい空だ。
そんな空の下、とある村のとある神社の桜並木は、今がまさに見ごろである桜をこれでもかと散らしていた。その並木の下を懸命に掃除する一人の少女の姿もあった。
「あーもうっ！！掃いても掃いても無くならないわねぇっ！」
真赤な髪を一つに束ね、不満を口にしながら掃除する少女。名はA。
とある理由でこの神社に住み込みで働いているのだ。
Aは不満を桜にぶつけ続ける。
「散らすならいっぺんに散らしなさいよ！」
とか、
「掃き掃除するこっちの身にもなりなさいよね！」
とか、
「ていうか、散るの早すぎるわよ！まだお花見してないのにっ！！」
などの類である。何というか、周りから見れば桜の木に不満を語る頭がおかしい少女にしか見えないのだが・・・。
すると、少し離れた鳥居からぱたぱたと小走りでAに近づいてくる少年が一人。

「おーーいぃ！！A－－－！！」
「あ、暫。おはよう！」
薄い青のグラデーションの髪を乱しながら、Aの目の前まで来ると、肩で息をしながら「お・・・おはよう・・。」と返した。
この少年の名は氷殷寺暫。Aの住んでいる神社の近くにある、いわばライバルのような関係にある少年。
だが、二人はかなり仲がいい。それどころか、最近は交際にまで発展しているとまで噂されたほどだ。まぁ、それは置いておく。
「で、暫どうしたの？そんな息荒くしてさ。ゴキブリに園址さんが食べられたの？」
いつものように天使の微笑みを浮かべながら、悪魔の言葉を囁くAに暫は動揺しながら答える。
「なっ！ち、違うよ！！そんなゴキブリ進化してたら、人間が絶滅危惧種になるよっ！？」
そう言った暫だったが、すぐに言葉を付け足した。
「あ、でも園址兄さんの絡みであってるんだけどね。」

２人が話す人物、氷殷寺園址。氷殷寺家三兄弟の長男であり、かなりの腕を持つ。その力は、計り知れないという。だが、彼には２つの欠点があった。
１つは、かなりの破天荒。暴言暴力喧嘩上等レベルな雰囲気を漂わせている。おかげで、時期当主の名が剝奪の危機にある。
２つは、Aに好意を寄せまくっていること。それはもう危険なぐらい。
こんな兄を見習わずに、次男を見習って生きてきたおかげか、暫は長男の園址とは違い、かなり性格良好な少年に育っていたのだった。