Session 3:水戸部凜之助 「発話障害の僕」 ページ16
ん？
今、僕は何処にいるんだ？
周りを見渡せば黒い空間。一人の空間。
貴 「水戸部君、貴方は…」
先生の声が聞こえる。催眠術してるんだった。
貴 「何が見える？」
左を見ると、それは僕が幼稚園の頃だろう。
一人で砂場で遊んでると小足で駆け寄る少女の姿が見えた。
仲良く話している…あれがしぃちゃん。
そこから僕は歩き出した。歩くと同時に年月が過ぎ、僕はいつもしぃちゃんといた事に気付いた。
その途端 ((バコッ
何かにぶつかった。目の前は南京錠の掛かってある鉄の扉。
『8月14日』と書かれている。
どうしても開かない。何で？
貴 「目覚めて、水戸部君」
先生の声が再びすると、僕の体は宙に浮き、光満ちた空に飛んでいった。
水 「んっ」
目を開けると長いすに僕は寝ていて、Aさんは僕の顔を覗いていた。
貴 「8月14日で止まったのね」
水 『はい。』
何でか僕はわからない。その先の記憶は見えた、しぃちゃんのいない記憶。
その前も見えていた、しぃちゃんのいる記憶。
でも、8月14日だけは見えなかった。
貴 「次にまた、する？」
嫌だったらやらなくていいのよって付け足した。
けど
水 『次もやります。この記憶が、この声が戻るまで、やります』
僕はもう決めたんだ。
貴 「うん、わかった。じゃ、次もするね。」
微笑を浮かべている先生。
もう既に夜になっていて、僕は帰り道考え続けた。
この声は絶対取り戻すんだ。勿論社会的に役に立つし
何より自分でも約束したんだ。
初めて喋る時、初めて声で喋る相手は
先生だって言う事。
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∞エイターレンジャー∞(プロフ) - 最高でした。 すごく感動して、涙が出ました。 素敵な作品を、ありがとうございます。 (2015年10月21日 23時) (
レス) id: b7598b581d (このIDを非表示/違反報告)
火風(プロフ) - あの、ひとつだけ質問いいですか？水戸部君の話は少し「霧雨が降る森」をイメージしてるんですか？あ、違っていたらごめんなさい。長々と失礼しました。 (2015年1月3日 0時) (レス) id: bf95e01698 (このIDを非表示/違反報告)
遊(プロフ) - 読んでいて何処か心暖まる作品でした！精神病と聞くとちょっと重いイメージですが、見事な感動物語になっていて素晴らしいと思います！リクエストで、赤司と今吉をお願いしますm(__)m (2014年9月16日 23時) (レス) id: 9bb42d4f91 (このIDを非表示/違反報告)
凜ノ宮アリア - この作品すごく面白かったです!!話読んでて泣きそうになりました!! (2014年7月13日 15時) (レス) id: ab3b9fde5b (このIDを非表示/違反報告)
矢城 莉緒 - この作品大好きなんです！ 社会人っていうところもいいですね 個人的に日向先輩が好きなのでぜひ作って欲しいです！！ 楽しみに待ってます (2014年6月21日 22時) (レス) id: ca3a7a9da1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真理リン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Marilin/
作成日時：2014年4月21日 16時
