【最強メガシンカ】世界でいちばん頑張っている君に～～16th Sabotage～～【ポケモンXY特別編】 (ページ49)

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不気味なまでの落ち着きページ49

そして結果発表の時がやってきた。私とスピカは隣り合ってステージに立っている。
観客席にはエデルさん、フューネさん、その他にも多くのファンのみんな。温かい応援をくれるみんなに見守られて、このあとの、喜びか悔しさが溢れ出す瞬間を待つ。

司会がお客さんやテレビ中継で見ている人たちに審査の方法を紹介している間、スピカが肘で私を小突いた。

「A、あたしが優勝しても、倒れたりしないでよね」

「大丈夫。スピカこそ……ね？」

スピカはちょっと照れながら、しっかりとうなずいた。

私もスピカも、この大会に優勝していれば手に入れたプリンセスキーは3個となり、マスタークラスに出場できる。この大会に優勝することで、憧れのカロスクイーンへの道が、くっきりと見えてくるのだ。そんな緊張すべき瞬間でも、私たちはパフォーマー。舞台の上では堂々としていた。

「それではみなさん、準備はいいですか？最もよかったと思うパフォーマーの色をポケリウムに灯し、投票してください！」

4つの色が暗闇から現れる。藍色、緑色、水色、そして白。客席のポケリウムから、ステージ上の私たちへと輝く光が向けられる。

私は不思議なことに、緊張も興奮もすることなく、穏やかな心を保ったまま目をつむった。この不気味なまでの落ち着きは何なのだろう。

「優勝者が決まりました！プリンセスキーを手にするのは……」

その声が聞こえて、ぱっと目を見開く。もうあの温かな穏やかな心は居場所をなくした。代わりに研ぎ澄まされた強い心がそこにあった。

観客は私たちのいるステージを食い入るように見つめている。テレビの向こう側で、お母さんもこんな風にしてくれているのかな。アランも、見てくれているかな。

「パフォーマーA！！あなたです！」

急に名前を呼ばれて、すぐに反応できなかった。呼ばれてから数秒、私の体は固まっていた。

「A、おめでとう。あなたが優勝したんだよ」

スピカに言われて、ようやく自分の体のコントロールの方法を思い出した。

「あ、あ……ありがとうございますっ！！」

再起動後の第一声はファンに向けたものだった。我ながらパフォーマーらしい。

「優勝したパフォーマーAに、プリンセスキーを贈呈します！なんと、パフォーマーAはこれが3つ目のプリンセスキーです！！」

私がプリンセスキーを受け取ると盛大な拍手が送られた。いつもと同じ流れのはずなのに、なんだか神聖な儀式のように思えてならない。