【最強メガシンカ】世界でいちばん頑張っている君に～～16th Sabotage～～【ポケモンXY特別編】 (ページ38)

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どこかで聞いたことのあるようなタイトルページ38

「やっぱり来たんだ、スピカ」

私のライバル、スピカ。前回のフェスト大会では、この子との点差は僅かだった。それでも負けは負けと認めたスピカは、コウジンの奥の輝きの洞窟で特訓をしていたらしい。これは強敵だ。

「あったりまえでしょ？あたしがあなたの勝利を黙って見ているわけがない。今度こそ、あたしがあなたに圧倒的な差をつけて優勝してやるんだから！」

スピカの気合いは十分だ。「楽しもう」発言をした私を咎めるのも無理もない。スピカは本気で優勝を取りに来ている。

「悪いけど、私も簡単には譲らないよ。ステージを楽しむからって本気じゃないと思わないで。むしろ楽しもうとするからこそ、より良いステージができると思うの」

「まあ、今ここで何を言い合っても無駄ね。続きはパフォーマンスが終わってからにしましょう。勝つか負けるか、それだけが判断材料よ」

そう言ってスピカは挑戦的な笑みを浮かべて去っていった。スピカの言うことは正論だ。勝つか負けるか。客観的な観客の評価。それだけがこのパフォーマーの世界を回しているのだから。

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ステージのことをあれこれ考えていると、時間が経つのは早い。もうそろそろトライポカロンが始まる。

周りの空気が変わる。この控室にいるパフォーマーのほとんどが、部屋の中央に吊り下げられているモニターに注目する。

司会でお馴染みピエールさんがモニターに映し出され、一瞬で眩しいスポットライトが盛大にともる。

ハイテンションで大会の開催を宣言し、客席を温めてから一次審査のテーマ発表に移る。
一瞬映った客席には、普段の大会よりは少ないが、ゲリラ開催にしては多い観客の姿があった。観客も気合い入ってるなぁ。たとえ目当てのパフォーマーが私でなくても、うれしい限りだ。

一次審査のテーマパフォーマンスは、「開運！ふしぎないし鑑定団！」らしい。どこかで聞いたことのあるようなタイトルだが、気にしないでおこう。
4つの石の中に、セキタイタウン産の、不思議な力を持つといわれる貴重な石が1つだけ紛れているらしい。それをポケモンと協力して見分けろ、ということだ。パフォーマーの審美眼、そしてポケモンとの意思疎通が問われるのだろう。

私の出番は2番。これはちょっと不利かもしれない。順番が遅ければ、前のパフォーマーの審査の様子を見て、セキタイの石の特徴を掴めるんだけど……。ま、頑張るしかないよね。