【最強メガシンカ】世界でいちばん頑張っている君に～～16th Sabotage～～【ポケモンXY特別編】 (ページ35)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:13,723 hit

揺らぐ炎の中でページ35

「ラグラージ、リザードンを地面に叩きつけなさい！」

いい笑顔でとんでもなくSっ気のある言葉を発する教官。怖い怖い。

「リザードン！！」

なす術もなく叩きつけられたリザードンに声をかける。リザードンはすぐに起き上がり、体についた砂を払った。まだ大丈夫のようだ。

「反撃に燃えろ！リザードン、ブラストバーン！！」

接近戦が駄目なら遠距離から強力な攻撃だ。リザードンが雄叫びを上げ、大地がそれに呼応する。リザードンの体から溢れ出す燃え盛る炎のエネルギーがフィールドを素早く駆け巡り、ラグラージへと襲いかかる。

「へぇ、いい威力じゃない。でも、私のラグラージにとってはまだまだよ」

教官とラグラージは揺らぐ炎の中で好戦的に笑っていた。

「ハイドロポンプで消火よ！」

ラグラージがフィールド全体に向けてハイドロポンプを放つ。せっかくリザードンの有利なフィールドを作り出したのに、すぐに消されてしまった。
それだけでなく、技の反動で動けないリザードンに向けてもハイドロポンプを撃ってきた。リザードンならこれくらい耐えられると思っていたが、さすが教官のラグラージ。メガシンカをしていることもあって、かなり身にこたえてきているようだ。

「リザードン、大丈夫か？」

「ガゥ」

心配するなと言わんばかりの視線。俺はお前を信じるぞ、リザードン。

「よし。リザードン、もう一度ブラストバーンだ！」

今度はラグラージ周辺に力を集中させて。なるべく弱点であるヒレを狙って。

「甘いわよ。ラグラージ、じしん！」

ブラストバーンがラグラージのところに届くより先に、ラグラージが勢いよく地面に手をついた。地面がぐらぐらと揺れ、地割れが起きる。リザードンは揺れる地面に気をとられ、ブラストバーンは中断させられた。効果ばつぐんの技を耐えるためならしょうがない。
それでも反動は残るわけで。

「とどめよラグラージ！ハイドロポンプ！」

身動きできないリザードンをラグラージの放った水弾が襲う。

「リザードンっ！！」

リザードンは、さっきのじしんと勢いのあるハイドロポンプに耐えきれず、戦闘不能状態になってしまった。メガシンカが解けたリザードンが力なく崩れる。
すぐに駆け寄り、無理に目を開こうとするリザードンに労いの言葉をかける。

「お疲れ様。よく頑張ったな。今は無理せず休んどけ」

そう言ってボールに戻す。

教官とメガシンカを解いたラグラージは笑顔でハイタッチを交わしていた。