【最強メガシンカ】世界でいちばん頑張っている君に～～16th Sabotage～～【ポケモンXY特別編】 (ページ19)

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敵対ページ19

「ラル、もう明るくなってきたし、そろそろ戻ろうか。みんなも起きたかもしれないし」

空に向かって手を伸ばし、かかとを上げて背伸びをしながらラルに声をかける。ラルも伸びをするように体を動かし、こくんとうなずいた。

「よし、じゃあ帰ろうか」

そう言って踵を返し、ヒヨクへ戻ろうとしたときのこと。

「そうはさせない」

どこからか声が聞こえ、いきなり飛び出してきた赤い服、赤くておかしな髪型をした集団に取り囲まれた。

「フレア団……！？」

確かに時々視線を感じることはあったけれど、ここまで追い詰められるとは思わなかったな。
というか、本来は監視もしない、危害も加えないって約束じゃなかった？

「私たちが何をしたって言うの？私たちはちゃんとあなたたちの要求を呑んでいるというのに！」

声を張り上げ、私とラルは戦闘体勢になる。

そのとき、ふと目に入ったミアレ発電所の扉の前に、二人の女の人がこちらを見て微笑んでいるのに気づいた。二人ともゴーグルをかけている。あの雪道で遭遇してしまった人……モミジと同じような風貌だ。

「やぁだぁ～、じゃああなた知らないの～？
あなたの大事な人がフラダリ代表に歯向かったってハナシ」

二人のうちの一人、紫色の髪の女の人がそう答えた。
大事な人というのは、きっとアランのことで違いないだろう。アランがフラダリさんに歯向かった……？そんなことアランがするだろうか。でも、今の私たちの境遇を考えると……。

「知らないみたい。可哀想に」

もう一方の、緑色の髪の女の人が何気なく呟いた。

「でも……もしそれが本当だとしても、そっちの要求自体は呑んでるじゃない！それとこれは全く関係ないでしょう？」

「その通り。全く関係ない。だからアタシたちも動けるの」

緑髪の女の人の言葉にはっとさせられた。そうか、そうくるのか……。

「……それで、あなたたちは私をどうしたいの？」

ぐっと拳を握り、低い声で問った。

「そうねぇ……。まあ、少なくともタダで帰すわけにはいかないわよ～？」

紫髪の女の人が小気味悪い笑みを浮かべ、その後に緑髪の女の人が続けた。

「Aという少女には特別な力がある。そう言われている。格好の研究対象でしょ」

この人たち、私を捕らえようとしている……？

はっと気がつくと、私とラルの周囲を取り囲んでいるフレア団員が次々にモンスターボールを投げていた。出てきたのはゴルバッドやグラエナ、ヘルガー……とにかく数が多い。