・ ページ46
「なぁ星見、星見の企画って」
『ちゃんとお父さんのを再現できてるはずなんです！父ならきっとそうすると思って、』
「それだ！！」
突然大声を上げた真緒に今度はAが驚く番だった。
「言い方悪いけど、星見は今までお父さんの真似をしてきたって解釈であってる？」
『は、はい』
「多分だけどさ、星見に求められてるのってそれじゃないと思う」
意味がわからない、と言った様子のAに、真緒は幼い子に言い聞かせたみたいな口調で続ける。
きっと本当にAの精神年齢は見た目よりずっと幼いのだ。忘れてしまった幼少期の分がここに来てるのかもな、とちょっと考える。
「星見の言ってることが本当なら、それじゃ星見のお父さんのプロデュースだ。星見自身のじゃない」
『そんなこと言ったって！あの人は絶対に正しいんです！あたしが自分で考えるよりもずっと！』
「うん。でも天祥院先輩は星見がお父さん本人じゃないってことを見越して雇ったんだと思うけどな。ほら、あの人頭良いし」
英智を引き合いに出されては何も言えないAはぐっと押し黙る。
「なぁ星見、いや、A。Aはどんな企画がしたかった？」
『あたしがしたかったこと……？』
そんなこと考えたこともなかった。
だって父はずっと優秀で正しくて凄い人だったから。それの真似をすれば父は褒めてくれてくれたから。真似をしなければいけなかったから。
「あ、もしかしてあの企画がAがやりたい企画だったりしたか？いやそれなら本当ごめん。つか俺、すっげぇ痛いこと言った気がする」
『いいえ、違います！』
本当は考えたことがあったのだ。
人よりも幼いAが幼心に考えた、父が絶対にしないプロデュース。
父と違うのは悪いことだから、父に従わないのは悪い子だから誰にも言えなかっただけで。
ずっとずっと昔から、やりたいことはたくさんあった！
『あたしが本当にしたかったことは──』
＊
「……これ、お前が考えたの？」
『は、はい！』
緊張した面持ちのAに、困惑が隠せない新人アイドルユニットのリーダーは隣にいた副リーダーに耳打ちする。
「……なぁお前これ、どう思う？」
「明らかにこいつのじゃないだろ。あんずのやつパクったんじゃね？」
彼らがそう思うのも無理はなかった。
何故なら今までの彼女の企画するライブは様式美と言えば聞こえは良いが、どうも古臭いものばかり。
だと言うのに今回の企画はどうだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅鮭@くじら(プロフ) - 塩おにぎりさん» わ〜い！まじですか女の好みが合いますね！！！文字制限かかるほどの感想本っ当嬉しいです( ･ ･̥ )♡今月中には続編に移行する予定なのでそちらもよろしくお願いします！！ (2022年8月21日 19時) (
レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
塩おにぎり - あ〜、好きだぁ！敬人ぉ！英智ぃ！星見ちゃあん！！ってなりましました。星見ちゃん可愛い。あぁいう性格の子大好物です。ハラハラドキドキニヤニヤしながら見てます。文章もすごく好きです！更新頑張ってください！まだまだ言いたいことあるのに文字数が…… (2022年8月21日 15時) (レス) @page48 id: 783bc2bad6 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - 瑞花さん» 物書きとしてこれ以上ないほど嬉しいコメントありがとうございます！！なんかもうこっちが泣きそうです(；；)瑞花さんの期待に応えられるよう頑張ります！！ (2022年8月13日 10時) (レス) @page38 id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
瑞花 - うわあああなんか辛い…2人とも（あんずと夢主）辛いんですが…涙なしに見れないんですが……えぇ、ちょ、…ええええ（動揺）これからいい方向に進んでいくことを願う…ううううう更新頑張ってくださいっ…！！（涙ボロボロ） (2022年8月13日 0時) (レス) @page38 id: ffe19b4490 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭@くじら(プロフ) - 結さん» マヨさんはどうしても夢主とエンカさせたかったから出しましたwマヨさんいいですよねわかります……！嬉しいコメントありがとうございます！！ (2022年7月20日 22時) (レス) id: f1236c4d6f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
