姫様と二人の小さな物語(45) ページ45
『お兄様…私、アリサトスにあったアジサイという花がとても好きでした』
「なぜ、今それを？」
『アジサイは綺麗な花だと思っておりました。でも、実際は綺麗に見えた花弁はがくで…花はとても小さいのです。あの花はそんなものが何個も、何十個も集まって、初めて美しく見えるのです。
一つ一つは小さくて、ちっぽけで……大きく見せようと見栄を張っていても実際はとても頼りない。
でも、集まるとあんなにも美しくなる。
まるで、人の鏡のような花ではありませんか？
一つ一つの力は小さくても、手を取り合えばとても大きな力になる。
力を合わせれば、美しく輝ける。
これほど、輝かしいものはないでしょう？美しいものも、気高いものも。
あの花は、私の目標です』
「所詮は見かけだけだ。突いてみれば、なんと脆い事か…。あれを人というならまさしくそうだな。脆くて、弱い……水を与えてもらわなければ生きることすらままならない」
『まぁ、それは違います！！一人で何もできなくてもいいのです。誰かから力を借りて、より大きなことを成し遂げる。助け合って生きるのが人間です』
「どうだか……」
無愛想な兄。
互いの意見が合わない。
(共感していただけると思ったのに……)
兄の言うことは分からなくもないが、やっぱり助け合えることは美徳だと思う。
日が沈もうとしている。
もうすぐ、今日が終わる。
『お兄様…お兄様は私が嫌いですか？』
「返答しかねます」
『では、なぜ護衛を？』
「負い目を感じていたからです」
『……私は、お兄様と家族でいたいです。隠したままは嫌です』
だって、この世でたった一人の兄妹。
切れることのない…絆で繋がっていると信じたい。
『誰になんと言われようと、私の兄はあなたです。他人のふりなどできません』
「今だけだと言ったはずだ。お前にとって…ハンデになる」
『そんなこと……』
兄はそれ以上何も言ってこない。
でも、私は信じてる。本当の兄妹になれるって。
『そういえば、母のことを知っていると言ってましたよね？』
「ああ、それなら――」
兄の言葉は突如部屋中に響いた声によってかき消された。
「A様！フリーヤ様が――」
涙を浮かべて駆け寄ってくる、ピステヴォ。
後ろにいるジャーファル達も険しい顔をしていた。
「街の子共達に虐められたようで……」
『え……？』
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暁(プロフ) - 星月夜さん» ありがとうございます！更新遅くてすみませんm(_ _"m)ウィールスさんの出番も今後増えていくと思うので、今後もよろしくお願いいたします。 (2017年9月18日 0時) (
レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 更新がまた始まって嬉しいです。ウィールスさんのなかなか素直に慣れないところ大好きです(о´∀`о) (2017年9月17日 23時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - くるみさん» すみません。完全に設定いれるタイミング逃してしまいました。(*- -)(*_ _)ペコリ (2017年9月17日 17時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - くるみさん» ホントにね…苦笑 貴重なご意見ありがとうございます♪参考にさせてもらうね！ (2017年6月3日 6時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 暁、今まで二週間ぐらいバタバタしてたけどお疲れ様でした！やっと落ち着けるね（笑）私的には設定書いてもらえたらありがたいです！ (2017年6月2日 23時) (レス) id: 1b7b0b02d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月24日 15時
