姫様と二人の小さな物語(41) ページ41
夜の王宮はとても賑やか。
綺麗で華やかな飾りつけと、陽気な音楽。
音に合わせて踊る踊り子と、それを見て楽しむ人。
「こんなの、初めて……」
『ふふっ、お料理もあるから好きなのを食べればいいわ』
アーシャとフリーヤは眠りについた。
シンドバッドは「今夜は無礼講」なんて言って、早速飲んでいる。
お酒は正直苦手。でも、賑やかなのは楽しいのでここに居られて大満足だ。
「さぁ〜、みんな！今回の主役シャハルだ！！こっちへ」
「ちょっとシン！飲み過ぎです！！」
酔った時のシンドバッドは面倒くささに拍車がかかる。
それを一番身にしみて感じているジャーファルは酒の席では常に主の見張りをしている。
(それでも羽目を外すんだから……しょうがない王様だわ)
実は一度、寄った王に襲われそうになったことがある。
もっとも、電光石火で鬼神のごとく現れたジャーファルが助けてくれたのだが。
シャハルが中央に立ち、王宮のみんなに挨拶をする。
「シャハル・アザリーです。お世話になっております」
出会った頃のように人形を演じるシャハル。
(簡単には心を開けないか……)
まぁ、過去にあんなことがあれば人に心を閉ざしたくなる気持ちもわからないことも無い、が――。
(こういう席でそれはまずいわ。印象が悪くなっちゃう…)
案の定、事情を知らない者たちは顔をしかめている。
そんな中、突如一人の者が手を叩き始めた。
マレフィクスだ。
「慣れない土地で苦労も多いと思いますが、仲良くしましょうね。シャハルさん」
マレフィクスにつられ、みんなも拍手をする。
(察しがいい…さすがマレフィクスね。ジャーファルが褒めるわけだわ)
と、シャハルが暗い表情をしているのに気がついた。
何故だろう？マレフィクスを睨みつけている。
たぶん、私以外気付いてない。
(え……？)
何かあるのかな？そう思い、マレフィクスの方を見ると……
(笑ってる……)
見たことも無い、挑発的な笑みを浮かべシャハルを睨み返している。
初めて見る、悪人のような顔――
マレフィクスとは別人としか思えない。
(あれは、誰……？)
嫌なものを感じる。
兄やダウトに感じたような、嫌な感じ……
突然、頭がズキズキとしてきた。
そして、浜辺の時と同じように何かが頭の中に流れ込んでくる。
(な、に……)
耐え切れなくなった私はそのまま床に倒れ込んだのだ。
姫様と二人の小さな物語(42)→←姫様と二人の小さな物語(40)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「アニメ」関連の作品
【名探偵コナン】全キャラクターが持つ能力を全て扱える様になったから無双する ２６
呪いの旅人 【ハリー・ポッターと賢者の石】
宇宙を掴む君たちに【仮面ライダーフォーゼ】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁(プロフ) - 星月夜さん» ありがとうございます！更新遅くてすみませんm(_ _"m)ウィールスさんの出番も今後増えていくと思うので、今後もよろしくお願いいたします。 (2017年9月18日 0時) (
レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 更新がまた始まって嬉しいです。ウィールスさんのなかなか素直に慣れないところ大好きです(о´∀`о) (2017年9月17日 23時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - くるみさん» すみません。完全に設定いれるタイミング逃してしまいました。(*- -)(*_ _)ペコリ (2017年9月17日 17時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - くるみさん» ホントにね…苦笑 貴重なご意見ありがとうございます♪参考にさせてもらうね！ (2017年6月3日 6時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 暁、今まで二週間ぐらいバタバタしてたけどお疲れ様でした！やっと落ち着けるね（笑）私的には設定書いてもらえたらありがたいです！ (2017年6月2日 23時) (レス) id: 1b7b0b02d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暁 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月24日 15時
