姫様と二人の小さな物語(38) ページ38
「いや〜、Aさんお手料理は疲れも吹っ飛ぶ美味しさですね」
『ふふっ、ありがとうアリババ君。今日はちょっぴり特別なの』
「へぇ〜そうなんだ。おいしいね、おいしいねぇ」
相変わらずよく食べる子たちだ。
育ち盛りだから、いつでもお腹がすくんだろうな。
(いっぱい食べて大きくなってね……大切な人を守れるように、強くなってほしいものだわ)
『モルジアナちゃんも遠慮せず、たんと食べてね。たくさん作ったからいくらでも食べていいのよ』
「ありがとうございます…」
「お母さん、こんなにたくさん僕の好きなものを作ってくれてありがとう！」
『お腹いっぱい食べてね』
すっかりご機嫌な息子は口を休めることなく食べ続けている。
本当に可愛らしい。
ジャーファルも、ピステヴォも美味しそうに食べてくれている。
そして、今日はなんとウィールスさんも席についてくれているのだ。
いつもは立っていて、食べようともしなかったのに。
『美味しいですか？その…お口に会えば嬉しいのですが……』
「ええ」
相変わらず無愛想だけど、徐々に減っていく料理とその言葉が聞けただけで十分だ。
『じゃあ、私はこの辺で。あの子にも料理をもっていかなくっちゃ』
「あの少女のことですか？それなら私が……」
『ジャーファルは午後から仕事でしょう？たくさん食べて体力付けてください』
みんなに一礼して、その場を後にする。
あの子のためにとっておいた料理を持ち、あの部屋に向かう。
(美味しいって言ってくれるかな…)
たくさん、お腹いっぱいになるまで食べてほしいな。
里ではあんまり贅沢できなかったみたいだし、せめてここにいる間だけでも。
『失礼します。お料理を持ってきたのだけれど、食べてくれるかしら？』
「姫…A、わざわざありがとうございます」
窓の外を眺めていた少女は、こちらを振り返り微笑んだ。
『たくさん持ってきたの。お口に合うかしら？』
「とても美味しそうです。でも…こんなにたくさんは食べれません」
視線を落としてそう言う。どこか悲しそうにしている少女。
『さすがに多すぎたかしら？』
「いえ、その…外にいる同胞を思うと……」
なんて優しい子だろう。
『だったら、その子たちのためにもたくさん食べて、元気になって里に戻ってあげましょう。きっと安心すると思うわ』
少し苦しそうに「そうですね…」と言い、料理を食べ始める。
少女の心はいつ救われるのだろうか？
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暁(プロフ) - 星月夜さん» ありがとうございます！更新遅くてすみませんm(_ _"m)ウィールスさんの出番も今後増えていくと思うので、今後もよろしくお願いいたします。 (2017年9月18日 0時) (
レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜 - 更新がまた始まって嬉しいです。ウィールスさんのなかなか素直に慣れないところ大好きです(о´∀`о) (2017年9月17日 23時) (レス) id: b0ad28a90c (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - くるみさん» すみません。完全に設定いれるタイミング逃してしまいました。(*- -)(*_ _)ペコリ (2017年9月17日 17時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - くるみさん» ホントにね…苦笑 貴重なご意見ありがとうございます♪参考にさせてもらうね！ (2017年6月3日 6時) (レス) id: 23374c4c5d (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 暁、今まで二週間ぐらいバタバタしてたけどお疲れ様でした！やっと落ち着けるね（笑）私的には設定書いてもらえたらありがたいです！ (2017年6月2日 23時) (レス) id: 1b7b0b02d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月24日 15時
