信じて ページ7
リョーマくんが目を見開く。
「私たちは姉と弟で…こんなこと許されないのはわかってる…
……でもッ……!?」
その瞬間、私の身体はリョーマくんの力強い腕に抱き寄せられた。
「今そんなこと言われたら…ますますAから離れられなくなるだろッ…」
「リョーマ…くん…?」
私は少しためらいがちに、リョーマくんの背に手を回した。
「……俺も好き、Aのこと。
初めて会った時から、アンタを姉さんって思ったことは1度もなかった」
リョーマくんの言葉に、思わずポロッと涙がこぼれる。
「けど…ごめん。今はお互い離れなくちゃいけないんだ」
ふと見上げたリョーマくんの顔は、驚くほどに清々しい。
「俺はAがいなくてもちゃんとやれるって、向こうで証明してくるよ。
だからAも信じて…少しだけ待っててよ」
リョーマくんは真っすぐだ。
それはきっと、私がちょっと触ったくらいでは折れない。
ずっとずっと前だけを向いて、夢を信じて追いかける。
リョーマくんはそういう人なんだ。
「私も…頑張るから…!リョーマくんがいなくてもッ…
ちゃんと…信じて待ってるから…!」
私が涙ながらにそう言うと、リョーマくんは少し困ったように笑った。
「泣くなよ…」
リョーマくんは私の頬を流れた涙を、指ですくった。
「……ごめんッ…」
「A、安心してよ。今もこれからも、俺が見てるのはずっと…
ずっとAだけだから。
もう不二先輩にも返してやんないよ」
リョーマくんの優しくてちょっと意地悪な声に、私はホッとした。
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ちー - サイコウ! (2019年7月26日 10時) (レス) id: 47c71eb492 (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ - 私も一気読みしてしまいました。久しぶりにドキドキしながら読んでました!これからも頑張って下さい。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: b4234f65c9 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - こんにちは! 主人公になった気持ちでずっと読んでましたが一緒にドキドキしたり、泣いたりしてしまいました!作者さんの小説の書き方が上手で感情移入しやすかったです! 最高の作品でした! これからも頑張ってください!応援してます (2016年1月5日 0時) (レス) id: f1915054a7 (このIDを非表示/違反報告)
うなうな - 私も一気読みしてしまいました。とてもおもしろかったです! (2016年1月1日 10時) (レス) id: b835d946aa (このIDを非表示/違反報告)
ノエル - part1から一気に読みきってしまいました!!とっても面白かったです!!これからも頑張ってください。応援しています。 (2015年6月16日 21時) (レス) id: 6b02af50b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔弥 | 作成日時:2012年9月1日 20時