終わらせないよ ページ6
―――ゆっくりと目を開ける。
人混みの中で真っ先に視界に飛び込んできたのは…
「リョーマくん…?」
リョーマくんは何も言わずに、私を近くのベンチに座らせた。
「……大丈夫?」
「うん、平気…ありがとう」
よくわからなかったけど、倒れそうになった私を支えてくれたのは、
リョーマくん…なんだよね?
ホント、優しすぎるよ…
「ていうか、こんなとこで何やってんの?」
「わ、私…!」
言いたいことは山ほどあるのに、言葉にできない。
私は何のためにここまで来たの…!
悔しくなって、私はうつむきながらギュッと拳を握りしめた。
「……まぁいいや。わざわざ見送りありがとう」
リョーマくんが一瞬、自分の腕時計に目を向けた。
……もう迷ってる時間はないのに…!
「じゃあ俺はそろそろ行くね。Aは早く大会に戻って」
リョーマくんは私の頭をポンポンとなでて、私に背を向けて歩き出す。
これで終わり…?
義理のキョーダイなんてこんなモノなの?
リョーマくんにとっては、こんな姉と離れることなんてたやすいのかもしれない。
でも…
私は、たった1人きりのキョーダイと離れるのはつらいよ…
それほどに、リョーマくんは私にとって大切な人なんだ。
これだけで終わらせないよ。
「……リョーマくん…!」
私はガタッと立ち上がって、リョーマくんを引き止めた。
「何?」
振り向いたリョーマくんの目を、真っすぐに見つめた。
……もう、立ち止まらない。
「……好き…です…」
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ちー - サイコウ! (2019年7月26日 10時) (レス) id: 47c71eb492 (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ - 私も一気読みしてしまいました。久しぶりにドキドキしながら読んでました!これからも頑張って下さい。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: b4234f65c9 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - こんにちは! 主人公になった気持ちでずっと読んでましたが一緒にドキドキしたり、泣いたりしてしまいました!作者さんの小説の書き方が上手で感情移入しやすかったです! 最高の作品でした! これからも頑張ってください!応援してます (2016年1月5日 0時) (レス) id: f1915054a7 (このIDを非表示/違反報告)
うなうな - 私も一気読みしてしまいました。とてもおもしろかったです! (2016年1月1日 10時) (レス) id: b835d946aa (このIDを非表示/違反報告)
ノエル - part1から一気に読みきってしまいました!!とっても面白かったです!!これからも頑張ってください。応援しています。 (2015年6月16日 21時) (レス) id: 6b02af50b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔弥 | 作成日時:2012年9月1日 20時