吹奏楽部…トド松 ページ31
「ねえ皆、今度の学園祭の企画なんだけど」
吹奏楽部の部長、トド松くんの一言で話し合いはスタートした。
来月にはビッグイベントの学園祭がある。
吹奏楽部はそこで演奏をすることになっているのだけど…
「この曲とかいいんじゃない?」
「えっ、これめっちゃムズいやつじゃん」
「こっちならドラムも入れられるし盛り上がるんじゃね?」
目立ったり、誰かに話しかけたりするのが苦手な私は話し合いには参加していない。
去年も先輩に混じって同級生の子が曲目や演出について話していたけど、私はそれを遠目に眺めているだけだった。
正確に言うと、眺めているのは話し合いではなく…
「だったら部長決めちゃってよー」
「んー、でもこういうのは皆で決めたほうが良くない?」
トド松くんは誰とでもすぐにコミュニケーションがとれるし、後輩にも慕われている存在。
反対に地味で目立たない私がやすやすと話しかけたりできるわけもなく、本人にばれないように眺めたりしている。
と、その時、にらめっこしていた企画書から顔を上げたトド松くんと目があった。
「ねぇ、Aちゃんはどう思う?」
そしてあろうことか、トド松くんはてててーっと私のところまでやって来る。
「え!?私!?」
「うん、意見あったら聞きたいなーって」
「どうかな?」と首を傾げて尋ねるそのあざとさに内心悶えながらも、
「えっと、私はこれがいい…かな」
企画書に書かれている曲目の1つ。
「えっ、これってサックスのソロあるやつじゃ…」
そう、トド松くん担当のサックスのソロパートがある曲をセレクトした。
もちろん、トド松くんのソロが見たいからという不純な動機…
「…でも、これ確か、Aちゃん担当のトロンボーンのソロもあったよね」
「えっ」
…これはやらかした。
「…もしかして知らなかったの?」
「…知らなかったデス」
カタコトになる私を見てプッと吹き出すトド松くん。
「それじゃあさ、一緒に練習しようよ、ソロのところ。
一人より二人の方がアドバイスとかもできるし」
まさかのお誘い。
「え、いいの?」
「うん、ボクもAちゃんの演奏してるところ、見たいと思ってたんだ。
一緒に頑張ろうね!」
かわいく笑うトド松くんに、不覚にも胸が高鳴ったのは内緒です。
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あお - おそ松兄さん…剣道部のがかっこよかったです!私は過去に体育委員と放送委員やってたので大好きなおそ松兄さんで見れて幸せでした! (2018年4月4日 23時) (レス) id: 7457b0c918 (このIDを非表示/違反報告)
風が凪ぐ - 私もリクエストいいですか? (2017年9月1日 19時) (レス) id: 6255028c97 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっきー大魔王 - リクエストいいですか? カラ松で陸上部でお願いします! (2017年8月22日 22時) (レス) id: b15a1e4066 (このIDを非表示/違反報告)
闇月ゆう(プロフ) - この作品今日知って一気読みしちゃいました!英語部の英文訳したら確かにドキッってきますね!!もう全松イケメンすぎて死にそうです… (2017年8月20日 10時) (レス) id: 37c43119a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんねこ@午後ティーを午前に飲むアホの子(プロフ) - 吹奏楽部員としては嬉しいものでした!ありがとうございます。 (2017年8月20日 9時) (レス) id: 58666363fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤沢 | 作成日時:2017年7月28日 22時