保健委員…十四松 ページ27
「たのもー!」
元気よく保健室の扉を開ける十四松くん。
「あれ?先生いないみたいだね」
「そうっすね!」
放課後、保健委員の仕事のために訪れた、少し消毒液の匂いのする保健室はしーんと静まり返っている。
「さてと。あの先生、結構口うるさいみたいだから、あんまり遅いと文句言われるかもしれないし、始めよっか」
「はーい!」
返事をするやいなや、保健室の隅にある掃除ロッカーの近くのバケツをわっせわっせと持ってきて、
「水くんできマッスル!」
と保健室の外に駆けていった。
「ただいマーッスル!」
そして秒速で水の入ったバケツを抱えてくる。
かわいいなぁ。弟みたいだ。
「ありがと。じゃあ始めよっか」
濡れた雑巾で床、棚、机をよく拭く。
普通の教室よりは狭い保健室でも、二人で掃除するのは結構大変。
時間もかかるけど、十四松くんと話しながらだと飽きないし、何より楽しい。
力仕事も引き受けてくれるし、パートナーとしも大満足だ。
「ふぅ、床は大体拭き終わったね。じゃあ次、棚にしようか」
雑巾を置いて、棚に置いてある救急箱を抱える。
それを床に下ろそうとした時、頭上にふっとかかった影。
「Aちゃん!上っ!!」
十四松くんの大声を聞いて見上げると、棚の上から落ちてくる段ボール箱が。
避けようと足を動かしたけど、急な動きに対応しきれなかった私はそのまま足をすべらせた。
*
「______ごめんね十四松くん…」
「全然大丈夫!」
夕焼けの淡い光が射し込む道路で、私は十四松くんにおんぶされながら帰宅。
あの後転んだ私は外傷は無かったものの、足首を捻ってしまった。
十四松くんが「おんぶしてあげる!!」と言い出し、数分間ずっと渋っていたが、彼のお言葉に甘えることに。
「重いよね…!?」
「そんなことないよ?」
本人いわく、野球で鍛えられているから楽勝だとか。
「今度から物運ぶのはぼくがやるよ!
Aちゃん、重い物持つの禁止だからね!」
普段弟みたいな彼にルールを決められ、
「は、はい」
と素直に返事。
「女の子だもんね!
怪我してほしくないから!」
「…ありがと」
今日、十四松くんに対する気持ちが
「弟」から、「男の子」になりました。
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あお - おそ松兄さん…剣道部のがかっこよかったです!私は過去に体育委員と放送委員やってたので大好きなおそ松兄さんで見れて幸せでした! (2018年4月4日 23時) (レス) id: 7457b0c918 (このIDを非表示/違反報告)
風が凪ぐ - 私もリクエストいいですか? (2017年9月1日 19時) (レス) id: 6255028c97 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっきー大魔王 - リクエストいいですか? カラ松で陸上部でお願いします! (2017年8月22日 22時) (レス) id: b15a1e4066 (このIDを非表示/違反報告)
闇月ゆう(プロフ) - この作品今日知って一気読みしちゃいました!英語部の英文訳したら確かにドキッってきますね!!もう全松イケメンすぎて死にそうです… (2017年8月20日 10時) (レス) id: 37c43119a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんねこ@午後ティーを午前に飲むアホの子(プロフ) - 吹奏楽部員としては嬉しいものでした!ありがとうございます。 (2017年8月20日 9時) (レス) id: 58666363fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤沢 | 作成日時:2017年7月28日 22時