野球部…十四松 ページ26
「どぅーん!!あっははー、飛んでった!」
「十四松くん、これいつまでやるの…!?」
とある休日の真っ昼間。
野球部のマネージャーである私は、十四松くん本人から練習の手伝いを頼まれ、ボールをひたすら投げ続けているわけだが…
「えー?まだまだいくよー！」
十四松くんには限界というものがないのか。
炎天下の暑い日差しの下、私の投げたへろへろなボールを何度も何度も打ち返す。
もうかれこれ三時間ほどはこの動作を繰り返していた。
(これって本当に練習になってるの…!?)
野球部の試合とかじゃすごく早いボールがバンバン飛んでくるんだろうし、私のへっぽこ投球なんかある意味打ち返せて当然なレベル。
とても身になるとは言い難いけど…
「あー疲れた！ちょっと休もっか〜」
さすがに疲れたのか、バットを投げ出して公園のベンチにぐでーんと身を投げた十四松くん。
「あの、十四松くん?」
「なになにー?」
隣に腰かけた私に顔だけ向けて返事してくれる。
「その、誘ってくれたのは嬉しいんだけど…
私相手じゃ練習にならないんじゃない?
どうせなら同じ野球部の人に頼んだ方が…」
私がそこまで言うと、
「えー!?もしかしてぼくと練習したくない!?」
と飛び上がってオーバーリアクション。
「い、いや！そうじゃなくて！」
へこみ〜、と肩を落として落ち込む彼をなだめた。
「だって私の投球、散々見たでしょ?
ものすごく下手だし遅いし…
あんなの練習にならないよ」
すると彼は突然猫目になって、うーんと考えるポーズをした。
「でもぼくはAちゃんと練習したいなー！
だって普段から一番近くで練習見てくれてるし！
サポートとかしてくれた時すげーって思うし！
だから練習お願いしマッスル！」
言い切ると、満面の笑みで私に敬礼をした。
突然の彼のストレートな褒め言葉に、情けなく私の顔は熱くなっていって。
「あれ、顔赤いよ?もしかして熱中症!?」
「ち、違う!違います!!」
さっきまでの気持ちはどこへやら、手放していた野球のボールをもう一度握りしめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお - おそ松兄さん…剣道部のがかっこよかったです！私は過去に体育委員と放送委員やってたので大好きなおそ松兄さんで見れて幸せでした！ (2018年4月4日 23時) (
レス) id: 7457b0c918 (このIDを非表示/違反報告)
風が凪ぐ - 私もリクエストいいですか？ (2017年9月1日 19時) (レス) id: 6255028c97 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっきー大魔王 - リクエストいいですか？ カラ松で陸上部でお願いします！ (2017年8月22日 22時) (レス) id: b15a1e4066 (このIDを非表示/違反報告)
闇月ゆう(プロフ) - この作品今日知って一気読みしちゃいました！英語部の英文訳したら確かにドキッってきますね！！もう全松イケメンすぎて死にそうです… (2017年8月20日 10時) (レス) id: 37c43119a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんねこ＠午後ティーを午前に飲むアホの子(プロフ) - 吹奏楽部員としては嬉しいものでした！ありがとうございます。 (2017年8月20日 9時) (レス) id: 58666363fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤沢 | 作成日時：2017年7月28日 22時
