書道部…カラ松(F6ver.) ページ13
「失礼しま〜す…」
ガラッと扉を開けても誰もいない。
今日は書道部は活動日じゃないし当たり前だ。
鞄を置いて書道道具を広げる。
何故活動日じゃない時にわざわざ部室に来たかというと、来週にある文化祭に出展する書道の作品を書くため。
今までも何回か書いていたのだが、どれも満足するものが書けず、いつまでも提出できないでいたのだ。
正座になって深呼吸。
筆を手に取り、一つひとつの文字を丁寧に書いていく。
そして最後に自分の名前を書こうとした時。
「お前、ホント字ぃ下手すぎだよなぁ…」
突然目の前の至近距離から聞こえた低音の声が耳を掠めた。
「っか、カラ松先輩!?」
「うるせーよ。てか何やってんだよ、今日部活無ぇぞ」
ガバッと顔を上げると、不機嫌そうな顔のカラ松先輩が。
「えっと…文化祭の出展作品を書こうと思って」
「あ?…あぁ、そういえばお前、ずっと書いては丸めて、書いては丸めてってやってたもんな。
まぁその字じゃな…」
「…す、すみません…」
普段の字は普通に書けるんだけどなぁ…筆だとやっぱり難しい。
もともと書道部に入ったのだって、カラ松先輩がいるってわかってたからだし…
なかなか書き始めようとしない私を見て、カラ松先輩は大きなため息をつく。
「ったく、仕方ねぇなぁ…ほら」
カラ松先輩の声が急に近づいて、目の前にふっと影が落ちたと思ったら、いつの間にか自分の右手は重ねられたカラ松先輩の手によって操られている。
「え、ちょ!?」
「なんだよ…このオレが手伝ってやろうって言ってんだ、素直に聞け」
「す、すみません…」
「謝ってる暇なんかねぇよ。ほら、一緒に書いてやるから一発でつかめよ」
「まずここはな…」と耳のすぐ後ろでカラ松先輩の声がする。
正直、先輩の声と手で説明を聞いているどころではないのだが。
…でもやっぱり男の人なんだなぁ、手とかゴツゴツしてたくましいし…
「…おい、聞いてんのか?」
「は、はいっ!?」
「大丈夫かよ……それで、こうやって書くと…ホラ」
「え…あっ!」
気がつくと、目の前には綺麗な筆使いで書かれた文字が。
「すごい…」
「フッ、オレならこれくらい楽勝だけどな。
…まあ、また困った事あったら言えよ」
「は、はい!」
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あお - おそ松兄さん…剣道部のがかっこよかったです!私は過去に体育委員と放送委員やってたので大好きなおそ松兄さんで見れて幸せでした! (2018年4月4日 23時) (レス) id: 7457b0c918 (このIDを非表示/違反報告)
風が凪ぐ - 私もリクエストいいですか? (2017年9月1日 19時) (レス) id: 6255028c97 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっきー大魔王 - リクエストいいですか? カラ松で陸上部でお願いします! (2017年8月22日 22時) (レス) id: b15a1e4066 (このIDを非表示/違反報告)
闇月ゆう(プロフ) - この作品今日知って一気読みしちゃいました!英語部の英文訳したら確かにドキッってきますね!!もう全松イケメンすぎて死にそうです… (2017年8月20日 10時) (レス) id: 37c43119a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんねこ@午後ティーを午前に飲むアホの子(プロフ) - 吹奏楽部員としては嬉しいものでした!ありがとうございます。 (2017年8月20日 9時) (レス) id: 58666363fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤沢 | 作成日時:2017年7月28日 22時