忠誠の証 【旧双黒】 ページ15
真っ暗でジメジメとしている地下へと続く階段。
そこをコツンコツン、と足音を鳴らして歩く。
階段を下るとマフィアでよく使われている【拷 問室】に着いた。
「やぁ、A。遅かったね。」
「チッ、さっさとこっち来い。」
中に居たのは体術の師匠である中也と直属の上司である太宰さん。
……私達は月に一回、こうして私達3人以外誰も居ない拷問室に集まっていた。
太宰さん達は無言でそちらに行くのを促しているので大人しく用意されていた椅子に座る。
「ふふっ、では始めよう。……とその前に、」
“いつもの事”を始める前、太宰さんは私の後ろに回ると、手首に重く頑丈な鎖を着ける。
……その腕に感じる重さは決して逃げられないと言われているようだった。
「うん、やはり君に鎖は似合う。」
太宰さんは嬉しそうに後ろから私の喉の傷痕を愛おしげに触れた。
……私の喉元には古い傷がある。
いつもは特殊メイクで隠しているそれは昔、ポートマフィアに入る際に付けられたものであり、忠誠の証。
その証は今もそしてこれからも決して消えることなく、残っている。
……だがその証はこうして集まる時のみ姿を露にされ、太宰さんはこうして愛おしそうに、嬉しそうに、傷を撫でるんだ。
「チッ、悪趣味な事してねぇで早く始めんぞ。」
中也はその様子を見て酷く不機嫌そうに呟くと、“いつもの”薬を取り出し、私の顎を掴むと一滴も零すことを許さないというようにその薬を飲ませた。
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零 - よろしくお願いします! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 57759288c6 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 零さん» はい、大丈夫です。遅くなるかも知れませんが必ず書き上げます! (2019年5月22日 0時) (レス) id: 6c8434df42 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 罰ゲームでメイド服着させられたのを読んでみたいです (2019年5月21日 20時) (レス) id: 57759288c6 (このIDを非表示/違反報告)
零 - リクエストよろいですか? (2019年5月21日 20時) (レス) id: 57759288c6 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - ひよさん» 了解しました!少々お待ちください。 (2019年5月5日 12時) (レス) id: a93e3e53df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山猫 | 作成日時:2019年2月23日 21時