ダイゴさんの姉の話【pkmn】 (ページ5)

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「……いつ帰って来たんだ、姉貴」

『ついさっきだよ、ついさっき。
船で帰って来てその足でここまで来たの』

「それでいきなり公式戦なんて、本当に考えがぶっ飛んでるよね」

『だって……ダイゴに会うにはこれが一番手っ取り早いでしょ』

まさに自由奔放。
自由奔放という言葉が人の形をしたのが彼女。
ダイゴは幾度となく彼女に振り回されてきた(が、人のことを言えない程度にはダイゴも大概である)。

まさかいきなり帰って来て、公式戦で顔を合わせることになろうとは想像もできなかった。

……というのは少し語弊がある。
ふらりと帰ってきた彼女がリーグに乗り込んできたことは以前にもあった。
だから想像ができなかったわけではない。
それ故にまた彼女の策略に嵌まり驚いてしまったことが悔しくはあるが、それはそれだ。

「色々聞きたいところだけど、多くは聞かないよ。
チャンピオンとチャレンジャーとして向かい合った以上、やることは一つしかないからね。

この数年で何を見て何を学んできたのか……
これからのバトルで教えてもらうことにするよ」

弛緩していた空気が一瞬にして張り詰め、ピリリとした空気がこの場を支配する。

使用ポケモンは6体のフルバトル、どちらかのポケモン全てが戦闘不能になった時点で試合終了。
ポケモンの交代は両者共に自由。
試合のルールを審判が説明すれば互いにボールへと手をかける。

「始め!!!」

その合図で両者のボールが宙に舞った。