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「あ、ゲンジさん!始まるよ〜」
「うむ」
先程まで消えていたテレビの電源を入れれば、チャンピオンの間に一人佇むダイゴが映る。
四天王たちは並んでソファに腰掛け、チャレンジャーが現れるのを今か今かと待っていた。
もちろん、チャンピオンとチャレンジャーのバトルが楽しみではあるが……四天王たちがテレビに視線を注ぐ本当の目的は別にあった。
「ダイゴ、どんな反応するかな?」
ふふふ、とフヨウが笑う。
その顔に浮かぶのは満面の笑み。
今は澄ました顔でチャレンジャーを待つ彼の顔が崩れていくのが楽しみで仕方がない。
そしてチャンピオンの間の扉が開き、部屋にゆっくりと光が差し込んだ時……画面の向こうでダイゴが目を見開いたのが見えた。
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扉が開き、部屋に光が差し込む。
そして、ダイゴは目を大きく見開いた。
空いた口が塞がらないとはまさにこのこと。
目線の先の人物を、思わず指さしてしまった。
それほどまでに衝撃的だった。
いつも携えている凛々しいチャンピオンとしての表情は完全に崩れ去った。
『久しぶり、元気だった?』
「え、な、え……」
くちをはくはくとさせる。
その姿はとてもチャンピオンとは思えない。
それに対してチャレンジャーは口角を上げて笑う。
余裕の表情、これではどちらがチャンピオンでどちらがチャレンジャーなのかわからなかった。
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2023年3月15日 22時