【ダイヤのA】アホなメガネと付き合うことになりまして？？？【御幸】

彼セーター。 ページ8

御幸sid.





季節は春先。


いつもは暖かい気温が続いていたが、今日は珍しく肌寒い日。


なんか肌寒いね、今日。


なんて言葉をAがこぼしたら、やるしかないだろ？





御「ほら、これ着ろよ」





俺は着ていたセーターを脱いでAに渡した。





「…。いいの？」


御「うん」


「ん…。ありがと」





俺は寒くないし。


ブレザーあるし。


セーターくらいどうって事ない。


素直に俺のセーターを着るA。


よっぽど寒かったんだなー。





御「やっぱ俺のだとぶかぶかだな」


「それはしょうがないでしょ。男と女だし」


御「かーわい」


「御幸」


御「ん？」


「それ以上言ったら、シメる」


御「………ハイ」





からかいすぎるのは禁物。


顔が怖いよAさん。


俺のセーターを着たAが可愛くてたまんないけど、我慢我慢。





幸「あれ？そのセーター」


唯「御幸の？」


「ん」





梅本と夏川だ。


二人はもうすでにブレザーの下にセーターを着ていた。


Aってば薄着で学校来てたのかよ。


そういうとこ、抜けてんだよなー。





幸「彼セーターとかラブラブじゃん」


唯「羨まし〜」


「こういう時は役に立つからいいよ」


幸「うわ、惚気られた」





セーター一つで幸せそうな顔しちゃって。


可愛いやつ。





御「A」


「？」


御「セーター脱いだら寒くなったから、Aのこと抱きしめていい？」


「はあ？」


御「いーじゃん、たまには恋人らしいことしても。それに……」





さっきからちらちらとAのことを見て来る男子生徒たち。


分かり易すぎるんだよ。





御「Aが誰のものか、わからせてやらねーと」


「何それ」





牽制ってやつ。





幸「分かりやすっ！」


唯「御幸って独占欲強そうだよね」


御「見せつけてやらねーとさ」





Aのことを後ろから抱きしめて、暖をとる俺。


誰にも渡さねえよ。


こいつ(A)は俺のだ。





「御幸、動きづらい。離れて」


御「ええ〜」


幸「プッ、ふられてやんの！」


唯「どんまい」


「セーター貸してくれたり、あったかいけど、こういう行動がダメ」


幸「ダメ出しされてるよ、彼氏クン」


御「あ〜……」





まあ、他の男共にはアピールできただろうし？





御「それだけAの事が好きってことなんだよ〜」





誰にも渡さねえよ、Aは。

体育祭。→←アンダーシャツ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す