孫娘、友人を探す。 ページ7
やれやれ、どうしたものか。
話の通じない相手を相手にするのは苦労する。
別にこっちは京都で悪巧みをしているわけではないし、争うつもりもない。
学校行事で参加して、観光して、終わったら帰る。
ただそれだけ。
そう考えていた時、
「「！？」」
全身にまとわりつくような、黒い妖気が。
二人は勢いよく後ろを振り返った。
「今のは……」
「チイッ！」
Aが呟いたのと同時に、竜二は走り出した。
竜二を追うように、Aも走る。
間違いなく今感じた気は、この清水寺に来た時に感じた嫌な気配が元だろう。
何故こんなに急に妖気を増したのか。
京都には何かある。
それが何なのか、Aにはわからないが、京都には妖を強力にする何かがあるのは確かなのだ。
その影響を受けたか。
「………！？」
嫌な予感は的中した。
黒く禍々しい妖気が、清水の舞台を覆っている。
普通の人間には気配すら感じることはないのだろう。
感じるとしたら、ただ少し肌寒くなったなぁとか、少し暗くなった？とか、そのくらいで。
「…おい、陰陽師」
「お前の始末は後でつける。チッ、こんなところで……」
竜二は懐からまたあの竹筒のようなものを取り出した。
「走れ、言言」
竹筒から出た水が辺りに散る。
Aは友人たちの姿を探した。
近くにいるはずだ。
なのに姿が見えない。
Aはポケットの中から携帯を取り出し、友人の一人にコールした。
「出ない……」
妖気が濃いせいで、電波障害でも起こっているのだろうか。
少なからず妖気の影響を受け、一時的にだが、こうして繋がりにくくなる事がある。
こんな時に…
とAは焦った。
ドォンッ！！
一方、竜二と妖の勝負が始まっていた。
「言言！」
《グォオォォォォォ！！！》
妖の咆哮が木霊する。
「A！！」
「！」
友人の一人がAの名前を呼んだ。
「大変なの！○○が…！」
"急に倒れたの…！"
友人の一人が発したその言葉。
Aはこれから起こる最悪の事態に巻き込まれる。
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琥珀(プロフ) - とても素敵なお話ですね。続きをお待ちします (2019年12月2日 16時) (
レス) id: fa4c53d6a2 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 素敵なお話です!!!とても気に入りました!!!続きお願いします!!! (2019年7月15日 0時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだ(旧 國子)
| 作成日時：2019年6月7日 23時
