孫娘、陰陽師と再会する。 ページ6
清水寺。
京都の定番観光スポット。
他にもいくつかの観光スポットを巡り、ここにやって来たAと友人たち。
「あ」
「A〜？知り合い？」
ピタリと動きを止めたA。
その視線の先には男がいた。
陰陽師、花開院竜二が。
「よう。また会ったな」
「できれば会いたくなかったんだけど」
ニヤリと笑った竜二。
そんな竜二にAは皮肉そうに言った。
「Aーーー？」
「んー？まあ…知り合いと言えば…知り合い？さっき会っただけだけど」
「こっち(京都)の人？」
「うーん……たぶん？」
「逆ナンしたの？」
「んなわけないじゃんww 失礼な」
「あはははー！」
状況を理解していない友人たちは呑気だ。
しかしAの心境は複雑である。
時刻は夕方になる少し前。
もう少しで日が暮れるだろう。
もう少ししたら帰るように話を切り出そうと思っていたのに。
京都の地は話に聞いていた通り、妖が多いと思う。
空気がそう言う風土なのだろう。
だから危険な目に会う前に、早めにホテルに帰ろうと。
そう思っていたのだが、そうするわけにもいかなくなった。
「場所を、変えようか。その方がそっちも都合いいんじゃないの？」
「…いいだろう」
「A？」
「ごめん、ちょっとみんなでその辺見てて。ちょっと話ししてくるわ」
「オッケー！」
「話し終わったら連絡して！」
「んー。わかったー」
Aはこの清水寺に来た時から、違和感を感じていた。
人気のない場所へと移動したAは、竜二にこう切り出した。
「この気配、感じてないわけじゃないんでしょ？」
「ほう…この気に気づいていたか」
「"あっちの方を"、先に片付けた方がいいんじゃないの」
「お前を片付けた後でな」
「悪いけどさあ、こっちも暇じゃないんだよね。それにあたしは人間。妖じゃない」
「外見は人間のような形をしているが、その滲み出る妖の気は隠しきれまい」
「それは時間のせい。夜になるにつれ、妖の血が騒ぐ。こればっかりは仕方ない」
「半妖か」
「失礼だねー。あたしの親、父さんが人間と妖のクオーターだっただけ。あたしはそれ以外、半妖以下だっての」
「フン。それでも妖は妖だ」
「話通じないねー」
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琥珀(プロフ) - とても素敵なお話ですね。続きをお待ちします (2019年12月2日 16時) (
レス) id: fa4c53d6a2 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 素敵なお話です!!!とても気に入りました!!!続きお願いします!!! (2019年7月15日 0時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだ(旧 國子)
| 作成日時：2019年6月7日 23時
