8話「接触」 ページ8
「珍しいですね。CRにいらっしゃるなんて」
「申し訳ない。どうやら私は、花家大我を侮っていたようだ。永夢くんのガシャットを奪い取るとはね」
彼は幻夢コーポレーションの社長・檀黎斗。
彼がこのCRにやって来たのにはある理由がある。
元放射線科医で、仮面ライダーだった男・花家大我。
どうやらどちらが早くバグスターを倒すか、という賭けでガシャットを賭け、永夢はガシャットを奪われてしまったらしい。
「あの男を野放しにしておくのは危険です。俺に全種類のガシャットを頂けませんか」
「それはムリポ!」
ポッピーは腕でバツ印を作りそれはできないと表現する。
「何故だ。この間マイティアクションXのゲームソフトが、幻夢から発売されていただろう」
「あれは市販向けのソフトで、変身機能はないんだ」
「ガシャットは超レア!世界に一つだけ!」
「一つだけ?」
「五年前、幻夢は10種類のゲームを開発していんだが、その全てにバグが発覚してバグスターウイルスが生まれ、ゼロデイが起きた。バグスターに対抗するため、我が社は4つのゲームを改良してガシャットを作った。君たちに渡したものだ」
「そんな貴重な代物を花家大我に奪われたのか」
「問題ない。今さらに4つのゲームのガシャットを製作している。一両日中には完成するだろう」
その時、ポッピーのスマホが鳴った。
「どうしたの?永夢。えっ…?」
どうやら電話の相手は永夢らしく、ポッピーは話を聞いて困惑した顔で鏡飛彩を見た。
「あなたの事は話に聞いてますよ。AAさん」
鏡飛彩やポッピーがCRを出て行き、残された私と檀黎斗。
「何でも優秀な事務員だとか。どうです?うちの会社に来ませんか」
「今の職場に満足しているので。その気はありません」
「それは残念だ。ではまたいずれ。これから会う機会も増える事でしょうしね。どうぞよろしく」
「………」
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作者名:國子 | 作成日時:2018年10月4日 1時