古株のマフィア員とは。 ページ32
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そして、同時刻。
ポートマフィアをはじめとする黒社会が管理する、謂わば地雷地帯に三人の人間の死体が打ち上げられた。
その三人は、ポートマフィアの構成員達。
現場を指揮しているのは、年かさのマフィア員。白髪に葉巻、黒外套も背広も、残らず糊を利かせた、紳士然としたマフィア。
最古参の一人、広津柳浪。
「間もなく幹部がお着きになる。それ迄に被害の様相を纏めておくのだ」
「おっはよー皆さーん」
突如、広津の頭上から声が聞こえた。全員が緊張した顔で振り向いた。
現れたのは、太宰。
小型の
何時の間にいたのだろうか。
それは神のみぞ知る、である。
「ああもう、この面を幾らやっても突破できないのだよ!この
「太宰殿」
幹部が電子盤、しかも実況している事に何も言う事の出来ない部下に代わり、広津がおずおずと声をかけた。
そしてマフィアの武器庫警備の者が討たれたことを伝えた。太宰は「命知らずは久方ぶりだね!手口は?」と、電子盤に意識を向けたまま尋ねる。
広津が状況をわかりやすく教えた。
すると
「じゃ見てみるよ、これお願い」
「は」
突然携帯電子盤を渡され、広津の表情が固まる。
太宰がコツを教えるが、電子盤に疎い広津は慌てるだけである。
それをよそに、太宰は軽い足取りで死体があるところへ行く。
素早く死体の状況を確認、そして検証した。
「期待させてくれるね。倉庫の監視映像は?」
最後の台詞は広津に向けてのものだったが、広津はそんな場合じゃなかった。
クリアできなかったからだ。
その事で呼ばれたと思い、広津は頭を下げ謝る。が、太宰は不思議そうな顔をするばかり。
此奴、広津に電子盤を渡したのを忘れてやがる。
「広津さん」
「その...もう一度機会を頂ければ必ず」
「麻薬がらみで問題を起こした部下は、早々に切り捨てた方が善い」
不意に、何の前触れも、前兆もなく、太宰が言った。
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RANA(プロフ) - 花雫@浮上中さん» ご指摘ありがとうございます! (2018年1月9日 0時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
花雫@浮上中(プロフ) - あんの青鯖野郎です!えっと唐突な間違い指摘ごめんなさい (2018年1月8日 2時) (レス) id: f3cc68df07 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - えーなさん» 14巻。表紙最高でしたね!次巻はやく販売しないかな()そして来年には映画ですね!それも楽しみなんですよ〜!! 続編、さっそくできました。応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
えーな(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!14巻見ました!乱歩さんメインで私も幸せでした〜!そしてまさか探偵社の今後がめちゃくちゃ気になる終わり方で…!すみません、漫画の話はここまでにします笑 続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 2f759f2211 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年11月16日 22時) (レス) id: fcafb99727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2017年11月5日 22時