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夢ならば、いっそ【白石蔵ノ介】 ページ36

___これが、現実なら良いと、何度思った事か。


『……ずっと、白石くんの事、好きだったんだ……』
「……ほんま!?」
『うん……。白石くんは?』
「俺も……Aの事___」


___瞼がゆっくりと開く。
目に映るのは、自分の部屋の天井。
「また夢……か」
時計を見ると、起床時刻ぴったりになっている。
俺はベッドから起き上がり、クローゼットから制服を出し、着替える。
この場面を何度も繰り返してきた。
それほどに彼女の存在は、大きかった。

「テニスにおいては完璧なのに、恋愛もそうはいかないんか……」
テニスにおいては常に「完璧」なテニスをしている俺。
恋愛も「完璧」なはず、なのに……
「どうして、上手くいかないんや……」

彼女の想いは、俺に向けられない。
それを知った瞬間から、俺は努力する意味を失ってしまった。
彼女はきっと、俺の気持ちに気付いていないだろう。

「……ははっ」
もういいや。この気持ちは、捨ててしまおう。
俺は自分の机の引き出しを開け、彼女の写真を取り出す。
ずっと閉まっておいたからか、写真が少し黄ばんで、彼女の笑顔は美しさを失くしつつある。
それをビリッと破る。
ビリッ、ビリッ……と、写真を破る音が静かな部屋に響く。
綺麗に破かれた写真が、床に落ち視界に入る。
この写真も、想いも、俺にとって不要なもの。

___夢ならばいっそ。
自分の気持ちを伝えたかった。

それは告白の言葉【丸井ブン太】→←*解説



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spark(プロフ) - ちろさん» ありがとうございます!自分で書いててマジで柳さんが王子様に見えてきた…///これからもリクありましたらじゃんじゃんお願いします! (2019年1月1日 14時) (レス) id: 90c4c16584 (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - ももいちご。さん» 大丈夫です!ボードなら見れますので、待っています! (2018年12月30日 11時) (レス) id: fff401854f (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - sparkさん» ボードじゃダメですか?こちらだと少し言いにくいので…… (2018年12月30日 11時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - ももいちご。さん» すみません!コミューを見たのですが、どこにも無くて…!長くなっても構いませんので、こちらのコメ欄にて感想、お願いします! (2018年12月30日 11時) (レス) id: fff401854f (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - 了解です!今見ますね! (2018年12月30日 11時) (レス) id: fff401854f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:spark | 作成日時:2018年12月6日 18時

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