NO.37 ページ42
＿＿＿あれから、私と仁王の疑似交際が始まった。
まずは一緒に登下校をする事、一緒にお弁当を食べる事……など。
とにかく一緒に行動する事が義務付けられた。
今は、放課後。部活も終わり、生徒が少なくなってきた時間。
仁「のお、A」
A「……何」
仁「手、繋がんか？」
A「嫌」
仁「ほーか。なら、あの事バラされてもいいんか」
A「……分かったわよ」
仁「ククッ……素直でよろしい」
仁王は私が拒否すると、�爐△了�をバラす�爐閥爾靴討�る。
私はそれがどれだけ重大な事なのか分かるから、仁王の命令に従う。
仁王が私の事を名前で呼び始めたのも、疑似交際がきっかけ。
A「じゃあ、私こっちだから」
仁「ん。また明日な」
仁王は手を振りながら家路へと歩いていく。
はあ、やっと解放される……
＿＿＿その時。突然誰かからグイッと手を引かれた。
手を引いたのは、蓮二だった。
A「蓮二。どうしたの？」
柳「……仁王と付き合っているというのは、本当か？」
ドキリとした。
もしここで本当の事を言ったら、仁王はどうするんだろう。
最悪の場合、あの事をバラされる。
でも、蓮二には嘘をつけない。
A「……違う。疑似交際なの」
柳「……疑似交際？」
私はコクリと頷いて出来事を説明する。
A「1年前の冬……蓮二、言ったでしょ。�狢臂翩廚澄２兇�お前の傷を、癒してやる�爐辰董�
柳「ああ、言ったな」
A「あの時……すごく嬉しかった。だけどその時、仁王に見られていたみたいなの」
蓮二は驚いて開眼する。
それはそうだ。実際、私だって驚いたのだから。
A「……この事をバラされたくなければ、俺と付き合えって」
柳「そういう事か……」
A「うん」
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