検索窓
今日:21 hit、昨日:11 hit、合計:227,162 hit

7話 ページ9

神田「おまえなんで」

神田が僕に解いてきた、と思ったら、今度は途中で喋るのをやめた。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら(ユウは一体何が言いたいんだ…?)と考えた。その時

神田「…ちっ、来い」

突然、僕の右腕を取り、引っ張り歩き始めた。ユウの言葉は短すぎて内容を理解するのに苦労する。

ランマ「な、なんで掴むの!」

神田「っるせぇ、来いって言ってんだろ」

僕がキーキー騒いでるのなんか気にも止めず、さっさと歩き出す神田。掴まれなくても愛のお説教をするために行くのに。

長い廊下を、神田は僕より少し早く歩く。僕にとっては背負っているライフルが重くて仕方ないってのに、コイツは…。

すれ違いざまに通って行く化学班のみんなや、ファインダーの人たちに「あれ、ランマちゃん?」「ランマなんかやらかしたのか」と、まるで僕が何かしたような勘違いをされる。

ランマ「僕はただ、ユウに引っ張られてるだけなのに…」

気分がどんどん下がってきた。不機嫌の人と話してもそんなに楽しくないのは、誰しもがわかっていること。

僕の腕を引いて歩いていた神田が、足を止めた。そこは神田の部屋だ。

神田「入れよ」

ランマ「(怒ってんのか…?)はいはい」

僕はもう呆れ半分でユウの部屋に入った。相変わらず、ユウの部屋は殺風景だ。その中でも部屋の端には、大事そうにガラスのなかに蓮の花がある。
ユウは所々、女みたいというか、不思議と人らしいところを見せるときがある。

僕は窓の方にもたれかかった。外の様子を見ると、雲が永遠と続く空だった。

神田「おい」

ランマ「なに?」

ユウはドアにもたれかかっていた。僕がいる窓側の場所より少し遠い。

ユウはやっぱり不機嫌だ。いつもの睨みをきかせ、僕に近づきながら言った。

神田「なんでさっき、神田って呼んだ」

ランマ「…はい?」

ユウの怒っているところがイマイチ把握できない。あのアレンウォーカーのことじゃないのか、と思ったときには

神田「答えろ」

僕のすぐ目の前にユウがもう来ていた。

ランマ「ち、近いんですけど…?」
神田「答えろっつってんだろ」

めちゃくちゃ近くで言われる。顔が近くて恥ずかしい…というよりも

ランマ「顔、怖いですよ」

キレ顔のまま近づかれたって、トキメキなんか起こるか。僕は両手でユウを押した。

8話→←6話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
139人がお気に入り
設定タグ:D.Gray-man , 神田ユウ , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。