42話 ページ48
ランマ「師匠!」
僕は飛び起きながら師匠を呼んでいた。しかしそこは船ではないことに気づく。ユウのベッドの上だった。
あれ、なんでユウの部屋に…
神田「おい」
頭の整理がついていないのに、耳には僕を呼ぶ声がした。思わずその方向に顔を向ける。
ランマ「ユウ…?なんで、僕、ここに…」
神田「覚えてねェのか」
ユウはベッドの端に座る。さっきの夢のせいか、僕は思わずビクッとして、伸ばしていた足をキュッと縮めて体育座りになった。
ランマ「…あ、コムリン!!」
僕はぼんやりした意識から、現実で何があったのか思い出した。確か、二丁雷銃で仕留めようとして…そこからあんまり覚えていない。
神田「コムイの野郎がおまえとモヤシに吹きや撃ったんだよ…ちっ」
その一言で、どうしてここで眠っていたかまでわかった。…情けない。あと、コムイさんぶっ殺す。
ランマ「ありがと、ユウ」
神田「…ふん」
僕は膝に顔を乗せ、ユウに微笑んだ。どんなときだって口が悪いユウに、甘えたいという気持ちは通じないんだろう。
僕はユウのベッドからでて、団服のコートを羽織る。立て掛けてあった超電磁砲も背中に背負う。
ランマ「僕、アレン君のとこ行って、白狼を迎えに行ってくるよ。今度お礼するね」
白狼のことが気になって仕方がない。なんせ、アレン君のところにいたから、コムリンに何かされていたらどうしようと思っていた。
神田「好きにしろ、ふん…」
本当、可愛くない。
「まだ寝てろ」の一言ぐらい言ってくれてもいいじゃないか。ユウのことだからありえない話だけど。
僕は扉のドアノブに手をかけた。白狼を迎えに行ったら、即効でご飯を食べようと、考えていたら、途端に背中が軽くなった。
超電磁砲の重さがない、ビックリして「え…」と言葉が漏れた。
更に背中には温かい感触。 何も確認しなくても、これはユウということがわかる。
ランマ「…ごめん、ユウ。今は白狼のほうが心配なんだ。必ず戻るから……」
ユウの顔を見ないで、突き離す言葉を言う。
今日のユウは、スキンシップが少し多いなと思った。
彼も、甘えたい気持ちがあったのだろうか。さっきまで見ていた夢の中のティエドール師匠を思い出した。
思わず笑みがこぼれた。
その顔のままユウに「またあとで」と言い残し、重い超電磁砲背負ってアレン君の元へと向かった。
139人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時