番外編3話 ページ45
ランマ「ねーユウー。どこに行くの?」
神田「…」
何度話しかけても、ユウは答えてくれない。ズカズカと長い廊下を歩くばかりだ。
全く、ついて来いって言うなら手を繋がれなくたってついていくのに。わけわかんない。
段々、教団のみんながいない所へと連れて行かれる。なんか、徐々に人が減ってきた。
ランマ「どこに行くの?」
神田「…」
やっぱり怒ってるのかな、ユウの名前、教えないほうが良かったかな…。
ランマ「ごめんね、ユウ」
僕は悪いことをしたと思い、さっきから返答をしてくれないユウに謝った。
だけど、なにか違ったみたい。ユウはビックリした顔をしてる。
神田「…オメェはちげぇよ」
ランマ「へ?」
ユウはやっと足を止めた。そこは誰もいなくて、すごく狭い書庫。
電気もついていなくて、ちょっと怖い。
神田「俺が任務に行ってた間、何もされなかったか」
ランマ「なにもって、なに?」
僕はユウの言っている意味がいまいちわからなかった。イライラしてるのか、僕を何故か心配してるのか、一体どっちなんだ。
神田「…うさぎ」
ランマ「ラビ?遊んでただけだよ」
神田「…本当か」
ランマ「うん」
僕は近くの本棚にもたれる。するとユウは、僕の前に立った。
ランマ「どうしたの?…もしかして任務疲れたんでしょ!!」
僕はユウを指差してドヤ顔。僕の言うことは当たるんだから!と、思っていたら
神田「…ああ、本当に疲れた」
ユウを指差していた僕の腕を引っ張られた。「えっ?」と言ったが、その直後、目の前にはユウの顔。ぶつかると思って目を閉じた。
しかし、ユウと顔がぶつかることはない。そっと目を開けた。
ユウは真顔で僕を見ている。なんでだろう、この書庫に誰もいないからなのか、変な気分になりそう。
神田「俺の気持ち、伝わってねェのか…」
ランマ「えーーー」
ユウが不思議なこと喋ったと思ったら、ソレいじょうに不思議なことをされた。
唇に、暖かく、『それ』が重なる。
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作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時