25話 ページ27
アレン「ただ自分たちの最後を迎えたがっているだけなんです」
アレン君は、僕の超電磁砲に力を込め始めた。思う気持ちが強くなってきている。
アレン「それまで、この人形からイノセンスは取りません!僕が…アクマを破壊すれば、問題ないでしょう?!犠牲ばかりで勝つ戦争なんて、虚しいだけですよ!」
虚しい…ね。じゃあ僕は、虚しいだけの奴か…。
僕は超電磁砲を下げた。
アレン君は、このイノセンス…そして戦争に対する思いは、予想以上に大きい。
そのとき、まだ立てないだろうに、ユウがアレン君をぶん殴った。
そのままユウとアレン君は、地面に膝をついた。トマさんが「神田殿!!」と、叫ぶのに続き、「ちょっと、ユウ!」と、僕もユウに怒り気味で怒鳴る。
神田「とんだ甘さだなおい…可愛そうなら他人の為に、自分を切り売りするってか…?」
ユウは僕の方を見ようとしない。ずっとアレン君を睨み「この世には虚しいだけの奴が五万といんだよ…」と、呟く。
思わず僕は「ユウっ」と名前を読んでいた。
神田「テメェに大事なものは無いのかよ!!!」
ユウはアレン君に怒鳴ると同時に、僕を片手で抱き寄せた。
ランマ「えっ…?」
突然のことに、僕は目をパチパチさせた。
訳がわからない。ユウは怒ってるのに、僕を抱き寄せるなんて、しかもこんな状況で。
アレン「大事なものは…昔失くした」
横を見たまま、アレンは呟いた。顔は髪の毛でみえないが、それはきっと悲しい表情だ。
アレン「可愛そうとか、そんなキレイな理由あんま持ってないよ。…神田みたいに、大事なものは、僕は失くしてしまった。自分がそういうトコ見たくないだけ、それだけだ」
僕は思わず、ユウの団服をギュッと握った。
また彼にも、僕達と同じように、悲しい思い出があるのか。アレン君はボーッとした様子だ。
アレン「僕は、ちっぽけな人間だから。大きな世界より、目の前のものに心が向く。切り捨てられません。…守れるなら守りたい!」
それはきっと、彼の信念だろう。
アクマを倒すたびに、アレン君は、そう思っていたに違いない。僕とユウは、じっとアレン君を見つめた。
そのときだった
ララ「グゾル…」
イノセンスの少女たちの後ろから、長い爪のような、刀のようなものが、イノセンスをとったのだ。
アレン/神田/ランマ「!!!」
アレンは少女たちに手を伸ばすが、姿は砂の中へと隠れてしまった。
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作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時