24話 ページ26
ユウはかなり任務を重要視していた。
神田「俺達はイノセンスを守るために、ここに来たんだ!!今すぐその人形の心臓をとれ!」
少女から1番近くにいたアレン君に、ユウは怒鳴るようにして命令した。しかし、アレン君は暗く、悲しい表情だ。
少女に同情しているのか、一人悲しんでいるのか…。
アレン「と、取れません…。ごめん、僕は取りたくない」
アレン君は、自分の意志を貫いたのだろう。少女のせめてもの願いを、叶えてあげたいのだ。
僕は出来る限り黙っていた。アレン君は、イノセンスのために、どこまで動くか。
しかし、レベル2のアクマがいる。そろそろ止めなければとは思っていた。
ユウはアレン君の言葉に腹を立てた。枕にしていたアレン君のコートを投げつける。
神田「そのコートは怪我人の枕にするもんじゃねェ…エクソシストが着るもんだ!!」
アレン君は、少し困った、そんな表情になった。喧嘩っ早いユウは、怪我人になっていようと気が荒い。
若干、喧嘩勃発状況になってきた。
やはりコムイの言うことは当たる。僕はやっと間に言葉を突っ込む。
ランマ「アレン君」
アレン君は斜めしたを見たまま「はい…」と返事をした。僕はユウより前に出て、アレン君の近くで話す。
ランマ「相手の情を思って動くのと、イノセンス回収を思って動く。互いに大切なことだ。しかし、偏りすぎてはいけない。この意味、君にはまだ早いか?」
アレン君は「!」と、表情で驚いた。
僕がこんなこと言うとは、思わなかったのだろう。
ララ「お願い、奪わないで…」
グゾル「やめてくれ…」
僕はアレン君の横を通り、イノセンスに超電磁砲を向ける。
ランマ「悪いな、僕をいくらでも呪ってくれていい。恨まれ役は、慣れてるんでね」
僕は輝く超電磁砲で、イノセンスの頭に銃口を突きつけた。「やめて…」と、少女の震える声がするが、時間がない。
アレン「ダメですランマ!」
突きつけた超電磁砲を、アレン君は右手で抑えてきた。が、僕はそれにそのまま流されない。
アレン「そんなやり方、違います。エクソシストのやり方ではありません」
ランマ「じゃあ、どうしろと?」
僕の冷たい目線に、アレン君はビビらない。真っ直ぐな眼差しで僕を見る。
アレン「誰かを犠牲にして救いがあるなんて、そんなの、救いと言えません。なら僕が…二人の犠牲になります」
アレン君は、僕の問に斜め上を行く回答を出した。真っ直ぐな眼差し、それこそエクソシストだと僕は思った。
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作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時