16話 ページ18
僕は小走りで室長室へと向かった。
しかし、僕のイノセンスが重くてなかなか早くつけそうにない。
今度、化学班の誰かに相談して、できるなら軽量化してもらおうと考えながら室長室の前についた
僕は室長室の扉を『コンコンコン』と、3回ノックした。だけど、反応がない。
ランマ「コムイさん?勝手に入りますよ!」
いるはずのコムイさんの反応がなかったため、僕は一応断りを入れて、部屋に入る。
室長室は、相変わらず資料だらけの部屋だ。コムイさんのいるはずの机を見ると、コムイさんは眼鏡をかけたまま、机に顔を突っ伏して爆睡していた。
ランマ「あー…コムイさーん。応援の任務と聞いたんですが」
コムイ「グゴーーーーーー」
ダメだ、完全に夢の世界に迷走している。
体を揺すり、「起きてください!」と言っても、全く起きない。この人は変なところで頑丈だ。
やっぱり、あの起こし方しかないのか…
僕はコムイさんの耳元で、確実に聞き取れるように手間で添えて言う。
ランマ「リナリーが結婚するそうですよー」
その瞬間、顔を机に突っ伏して寝ていたコムイさんが、『ガバァ!』と、効果音がつく勢いで起き上がった。
コムイ「リナリィイーーー!!お兄ちゃんに黙って結婚なんて酷いよぉぉおーーー!!!」
リナリーはここにはいないというのに、全力でコムイさんは叫んでいた。僕は、「ハハ…」と、乾いた笑いしか出ない。
コムイ「って、アレ。ランマ君?」
ランマ「応援の任務と聞きました。資料ください。」
すっかり忘れていたのか「ああ!そうだったそうだった」と、コムイさんは資料を僕に渡してきた。
コムイ「ランマ君には、今朝アレン君と、神田君が行った任務に応援でいってほしいんだ」
ユウと、アレン君が先に向かった任務か…。
資料をよくよく見ると、『イノセンス回収』と書いてあった。イノセンスの回収で、僕が動かなきゃ行かないくらいなのか?
ランマ「手こずっているんですか?」
コムイ「いや、二人なら大丈夫だと思うんだ。ただ…」
コムイさんが困った顔をした。珍しいと思い、僕は首を傾げた。
コムイ「彼ら、出会いから最悪だったろう?任務に支障が出たら困るからね。ランマ君に援護で言ってほしいんだ」
そういうことか。確かに、彼ら二人は出会いが最悪だ。もしイノセンスが回収できず、アクマに殺られていたら元も子もない。
ランマ「わかりました」
僕は室長室を出た。
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作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時