11話(ラビSide) ページ13
俺はランマの部屋の前にいた。
ラビ「う〜ん、気になるさ〜」
俺はランマの帽子の中が気になっていた。
ランマは優しくて頼りがいがあるし、ファインダーや化学班のみんな、もちろんエクソシストからの信頼も厚い。だけど、彼女には皆が理解できない事が1つだけあった。
あの帽子の中だ。
前に、ランマが一人で食堂にいた時があった。その時間は比較的食堂は空いてて、ほぼ誰もいなかった。
そのとき、俺は偶然目にしたんさ。
ランマ「はい」
ラビ「?!?!」
彼女は帽子を少しだけとり、右手でビスケットを帽子の中に入れたのだ。俺は驚いて思わず隠れた。
ランマ「本当はここではだめなんだからね、後は部屋で食べよっか」
俺はポカーンとなった。なんせ、周りに誰もいないのに、ランマは一人で誰かに話しかけてるようだったから。
この彼女の不思議な噂は、意外と有名らしい。
直接本人に聞いても、話を違う方向に持っていくらしい。あのランマが隠し事なんて、気になって仕方ない。
ラビ「やっぱり聞くさ!」
イタズラ好きのラビにとっては、もう目の前に面白い玩具が見つかったときと同じ気分だ。
ラビがノックをしようとした時、部屋の中から「イエーーー!」と、彼女の明るい声が聞こえてきた。とても上機嫌のようだ。
それと同時に、ラビが開けようと思っていた扉は、勝手に開いた。
そして目の前には、今日、ラビが目的の人物、ランマがいたのだ。
ランマ「!!。おはよう、ラビ!」
キラキラとした笑顔で挨拶をしてきた彼女。
俺が部屋の目の前に立っていようが、不自然に思わないのだろうか?と、思ったが、怪しまれないよう俺もヘラヘラとした笑顔で返す。
ラビ「おはようさ〜!ランマ、ご飯食べたさ?」
ランマ「ううん、まだ。これからだよ」
しめた!ラッキーさ!
俺はこのご飯の時間をチャンスに、ランマの帽子の中のことを暴こうと思った。
ラビ「そうなんさ!じゃあ俺も一緒に行くさ!」
ランマは俺のことなんか1ミリも怪しまず、「うん!」と答えた。
今になって彼女をよく見ると、私服だ。
可愛いさ…と思いつつも、団服と一緒に着る帽子はやはり被っている。
すると、ちょうど目に入っていた帽子が「モゾ…」と動いた。
俺は驚いた様子を隠すため、顔を廊下の先に向けた。視線だけランマの帽子に向けて。
ランマは帽子をクイッと直した。
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作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時