と あ る 大 学 で 。【赤司 征十郎】

大 学 生 活 ３６ ページ37

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【と あ る 物 語 の 内 容】









◁Aside▷









「ねえ、プライド高男くん」

「…」









先程まで黄色かった瞳は、
すっかり綺麗な紅色に元通り









私が悪かったんだろうけど
やっぱり赤司を弄るのは楽しい









まあ彼は読書してて相手にされてないけど









「何読んでるの？」









本にカバーがしてあって
題名が自分の目で確認出来ない









「…これ、友人に借りたんです」

「へぇ。どんなお話？」

「圧倒的な力を持つ巨人と、それに抗う
人間たちの戦いを描いた物語。」









有名な物語らしいですよ。と
本に目を向けながらスラスラと答える









巨人と戦うなんて、
その世界の人間たちはなんて偉いんだろう









私だったらさっさとやられてると思う









「で、それ面白い？」

「ええ。読んでみます？」

「…」

「…」









はい、と読み途中の小説を
手渡される









カバーを外して題名に目を通し、
赤司にそのまま返した









「確かに巨人、って題名に…」

「それがどうしました？」

「夢に出てきそう」









ぷっ、とアイツが吹く









そして口を押さえ肩を小刻みに揺らした









「あ、笑ったな！」

「夢に出るって子供っぽいなと思って、」

「はぁ？勝手に言ってればー」









こんな他愛もない話、
もう何回続けただろうか









楽しい時間はすぐに過ぎる、と言うけど
それは本当だと思う

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